大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問74 (地理B(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問74(地理B(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ヨシエさんたちは、地理の授業で鉄鋼業を手掛かりに、世界と日本の資源と産業の変化について探究した。この探究に関する次の問いに答えよ。

ヨシエさんたちは、鉄鋼業などで原料や燃料として用いられる石炭の輸入相手国に着目した。次の図3は、日本におけるいくつかの国からの石炭輸入量の推移を示したものであり、E~Gは、アメリカ合衆国、インドネシア、オーストラリアのいずれかである。また、後の文章ア~ウは、図3中のE~Gのいずれかにおける石炭の生産や消費の特徴を述べたものである。E~Gとア~ウとの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

ア  採掘技術の進歩などによって石炭産出量が急増したことで、輸出量が増加した。この国の国内でも火力発電を中心に消費量が増加している。
イ  世界有数の資源大国で、石炭は大規模な露天掘りによって大量に採掘されている。国内市場は小さく、採掘された石炭の多くが輸出されている。
ウ  石炭の確認埋蔵量は世界で最も多い。国内市場の大きさを背景に、この国の国内における消費量も世界有数である。
問題文の画像
  • E:ア  F:イ  G:ウ
  • E:ア  F:ウ  G:イ
  • E:イ  F:ア  G:ウ
  • E:イ  F:ウ  G:ア
  • E:ウ  F:ア  G:イ
  • E:ウ  F:イ  G:ア

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「E:イ F:ア G:ウ」です。

 

日本での石炭の需要は鉄鋼業と火力発電所で、石炭・コークスなどの原材料は100%輸入に頼っています。

1960年代までは中国やロシア、アメリカからの輸入が主力でしたが、1970年代以降はオーストラリアを中心に東南アジア諸国からの輸入元に頼っています。

 

>アメリカ合衆国

古期造山帯のアパラチア山脈周辺から石炭が産出されます。しかしながら、アメリカでの国内需要が高いこと、また距離が離れているため輸送コストがかかるので、日本への輸出はそれほど盛んではありません

→G:ウ

 

>インドネシア

日本を中心とする海外からのODA(政府開発援助)により石炭採掘技術の導入がなされ、近年石炭輸出国家となってきました。距離的に日本と近いことから、石炭の日本への輸送が漸増しています。

→F:ア

 

>オーストラリア

古期造山帯の大分水嶺山脈(グレートディバイディング山脈)周辺には大量の石炭が分布しており、露天掘りという大規模な採掘方法によって大量の石炭を採掘している石炭輸出国家です。自国内には目立った第二次産業がないため、そのほとんどを輸出しています。日本からの距離も近く、現在の日本の主要輸入元国です。

→E:イ

選択肢1. E:ア  F:イ  G:ウ

間違った組み合わせです。

選択肢2. E:ア  F:ウ  G:イ

間違った組み合わせです。

選択肢3. E:イ  F:ア  G:ウ

正しい組み合わせです。

選択肢4. E:イ  F:ウ  G:ア

間違った組み合わせです。

選択肢5. E:ウ  F:ア  G:イ

間違った組み合わせです。

選択肢6. E:ウ  F:イ  G:ア

間違った組み合わせです。

まとめ

石炭に限らず日本の資源輸入元が、中国やアメリカ諸国から現在は東南アジアやオセアニアにシフトしていることを確認しましょう。

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02

●問題のポイント

日本の石炭の輸入相手国の推移(1970年~2020年)の折れ線グラフを見て、輸入相手国であるアメリカ合衆国、インドネシア、オーストラリアを表すのはE、F、Gのどの線であるかを見極めます。そして、折れ線グラフの推移と説明文の組み合わせ中から正しい組み合わせを選ぶという問題です。

 

●解答

説明文のなかの特徴的な記述に注目しましょう。

アの説明文は、「採掘技術の進歩で石炭算出量が急増し、輸出量が増加」という記述から、輸出量が途中から増えているのはFの折れ線になります。記述からインドネシアであることが分かります。

イの説明文は、「大規模は露天掘り、石炭の多くが輸出」という記述から、輸出量が一番多いのはEの折れ線になります。記述からオーストラリアであることが分かります。

 

ウの説明文は、「石炭の確認埋蔵量は世界一、国内における消費量も世界有数」という記述から、国内で消費されているので輸出量はさほど多くないと考えると、Gの折れ線になります。記述からアメリカ合衆国であることが分かります。

したがって、正解は「E:イ、F:ア、G:ウ」となります。

選択肢1. E:ア  F:イ  G:ウ

G:ウのみが正解です。

選択肢2. E:ア  F:ウ  G:イ

この組み合わせは違います。

選択肢3. E:イ  F:ア  G:ウ

「E=イ、F=ア、G=ウ」の組み合わせで正解です。

選択肢4. E:イ  F:ウ  G:ア

E:イのみ正解です。

選択肢5. E:ウ  F:ア  G:イ

F:アのみ正解です。

選択肢6. E:ウ  F:イ  G:ア

この組み合わせは違います。

まとめ

アの採掘技術により石炭の産出量が急増し輸出量が増加している折れ線は、「F:インドネシア」、イの採掘された石炭の多くは輸出されている折れ線は「E:オーストラリア」、ウの石炭の世界一の埋蔵国だが、国内の消費量も多く輸出はあまりされていない折れ線は「G:アメリカ合衆国」と覚えましょう。

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03

正しい組み合わせは、「E:イ F:ア G:ウ」です。

 

 

E:イ

図3で最も輸入量が多く、1990年代後半から急増してピーク時には1,000万トンを超えるEは、日本最大の石炭供給国であるオーストラリアに対応します。

そこでEに該当する文章は「イ」です。

「世界有数の資源大国で、露天掘り中心、国内市場は小さく輸出が主体」という記述はオーストラリアの石炭産業そのものです。

 

F:ア

1990年代後半から急増し、2010年代前半に300~400万トンクラスで伸びたFは、新興の輸出国インドネシアに対応します。

急増の背景を説明する文章「ア」が当てはまります。

1990年代から採掘技術・インフラ整備が進んで産出量が急増し、輸出も国内火力発電向け消費も伸びたのがインドネシアです。

 

G:ウ

1970年代に一定量があり、その後いったん減少して再び少量ずつ続くGは、かつて主力供給国だったアメリカ合衆国に対応します。

広大な確認埋蔵量と国内需要を述べる「ウ」が該当します。

石炭確認埋蔵量が世界最大級で、国内消費量も依然大きいのはアメリカです。

日本向け輸出は近年減少傾向でグラフの規模にも合致します。

選択肢1. E:ア  F:イ  G:ウ

誤りです。

選択肢2. E:ア  F:ウ  G:イ

誤りです。

選択肢3. E:イ  F:ア  G:ウ

正しい選択肢です。

選択肢4. E:イ  F:ウ  G:ア

誤りです。

選択肢5. E:ウ  F:ア  G:イ

誤りです。

選択肢6. E:ウ  F:イ  G:ア

誤りです。

まとめ

・E=オーストラリア(イ):露天掘り・輸出偏重の資源大国

・F=インドネシア(ア):1990年代以降の急増国、国内消費も拡大

・G=アメリカ(ウ):埋蔵量最大級、国内需要も大きい

輸入量推移と各国の生産・消費構造を対比させると、グラフの特徴と文章が自然に対応します。

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