大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問75 (地理B(第2問) 問4)
問題文
ヨシエさんたちは、製造業が発展するためには、付加価値の高い製品の開発が重要だと学習した。次の図4は、いくつかの国における、1990年と2018年の人口1人当たりの製造業付加価値額*と、GDPに占める製造業の割合を示したものであり、①~④は、イギリス、中国**、ドイツ、ベトナムのいずれかである。ドイツに該当するものを、図4中の①~④のうちから一つ選べ。
*生産額から、賃金以外の生産に必要な諸経費を引いた、新たに作り出された価値の金額。
**台湾、ホンコン、マカオを含まない。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問75(地理B(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
ヨシエさんたちは、製造業が発展するためには、付加価値の高い製品の開発が重要だと学習した。次の図4は、いくつかの国における、1990年と2018年の人口1人当たりの製造業付加価値額*と、GDPに占める製造業の割合を示したものであり、①~④は、イギリス、中国**、ドイツ、ベトナムのいずれかである。ドイツに該当するものを、図4中の①~④のうちから一つ選べ。
*生産額から、賃金以外の生産に必要な諸経費を引いた、新たに作り出された価値の金額。
**台湾、ホンコン、マカオを含まない。
- ①
- ②
- ③
- ④
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は③で、ドイツに相当します。
製造物に付加価値をつけるとは、以下のような例があります。
・高品質化:精密な商品や、省エネ商品の製造
・loTやAI、スマホとの連動 ★loTとはいろいろな物にインターネットに関連付けること(internet of Things)
・サービスの向上:長期間の保証や充実したアフターサービス
・ブランド力や安心感:信頼のおけるメーカーという信頼性
単に粗雑な製品を大量に売りつけるという時代から、高付加価値の製品を作る傾向へと産業構造が変化しています。
ベトナムに相当し、誤答です。
発展途上国であるベトナムでは、製造業自体のGDP比率がまだまだ小さいです。
近年、海外からの技術導入により少しずつ交付付加価値の商品が作られ始めています。
中国に相当し、誤答です。
20世紀末から急激に経済成長し、第二次産業の割合が大きく伸びています。
簡単な製造品ではなく、世界のニーズに合わせて付加価値の高い製品も作るようになりました。
これからも交付付加価値製品の製造が延びていくと思われます。
ドイツに相当し、正答です。
第二次世界大戦後、ヨーロッパの工業大国としての地位を保ってきました。
車ならメルセデス、フォルクスワーゲンなどの信頼性の高いブランド力を持っています。
ドイツの第二次産業は21世紀に入っても重要な地位で、近年は時流に合わせて交付付加価値の高級製品の製造にシフトしています。
イギリスに相当し、誤答です。
かつて世界の工場といわれたイギリスですが、近年は製造業からサービス業(情報産業・金融業)へのシフトが見られます。
産業構造の転換が著しいため、GDPに占める製造業の割合が減少しています。
世界の製造業の潮流は、粗品の大量製造から高付加価値商品の少数生産へとシフトしています。
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02
●問題のポイント
1990年と2018年のGDPに占める製造業の割合と人口1人当たりの製造業付加額がプロットされたグラフを見て、ドイツに該当するものを選ぶという問題です。
●解答
製造業における付加価値の高い製品は、顧客のニーズに応える高度な技術を持っていることです。グラフを見ると、①②と③④のグループに分かれています。
①②の国は人口1人当たりの製造業付加価値額が低いグループ。③④の国は人口1人当たりの製造業付加価値額が高いグループです。
1人当たりの製造業付加価値額が高い国は先進国で、低い国は発展途上国だといえます。
このことから①②の国は中国かベトナム、③④の国はイギリスかドイツということになります。
次に1990年と2018年の推移を見てみましょう。
④の国だけGDPに占める製造業の割合が下がっています。ヨーロッパ諸国で割合が下がったのはイギリスです。したがって④はイギリスですから、ドイツは③ということになります。
正解は「③」です。
1990年のGDPに占める製造業の割合が一番低いのは①でベトナムだと考えられます。
ベトナムは、農業中心の経済構造から工業化への移行を進めていて、1986年に導入されたドイモイ政策を契機に工業化が加速しました。2018年に5%以上伸びていることから①は「ベトナム」といえます。
②の国はGDPに占める製造業の割合および人口1人当たりの製造業付加価値額共に、急激に上がっています。
これは、安価で豊富な労働力を持ち、外国からの資本や技術の導入を行ったことで「世界の工場」として発展した中国だといえます。
したがって、②は「中国」です。
③の国は、2018年の人口一人当たりの製造業付加価値額が低下しています。
これは、イギリスはサービス業である三次産業の伸び率が大きかったため、製造業の相対的な割合が低下したと見られています。したがって④は「イギリス」です。
ドイツは世界でも有数の先進的な「工業国」であり、技術革新と高度な製造業を基盤とした経済を築き上げたので、GDPに占める製造業の割合が非常に高くなっています。
4つの国の中で、人口一人当たりの製造業付加価値額が一番高いことから④の国は「ドイツ」といえます。
ドイツは先進国の中でも「製造業」の占める割合が高いことから、人口一人当たりの製造業付加価値額が高いと覚えましょう。
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03
ドイツに該当するのは、「③」です。
ドイツは先進工業国の中でも人口1人当たりの製造業付加価値額が非常に高いです。
一方でGDPに占める製造業の割合は20%前後と高水準を維持しますが、1990年から2018年にかけてはやや低下傾向にあります。
図4で右端(付加価値額が最大)に位置し、矢印がほぼ水平でわずかに下向きのペアが③であり、ドイツの特徴と一致します。
低い付加価値額のまま、製造業比率が大きく上昇しています。
新興国で近年工業化が進むベトナムに相当します。
中程度の付加価値額からさらに増加し、製造業比率が30%近くまで上昇しています。
1990年以降急成長した中国に相当します。
付加価値額が最も高く、製造業比率は高水準を保ちながらやや低下しています。
これがドイツに相当します。
中程度の付加価値額で、製造業比率が大幅に低下しています。
サービス化が進んだイギリスに相当します。
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