大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問80 (<旧課程>地理B(第3問) 問3)
問題文
ユミさんは、いくつかの国における現在の合計特殊出生率について日本と比較し、その背景を考察した。ユミさんが考察した内容として下線部に誤りを含むものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問80(<旧課程>地理B(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
ユミさんは、いくつかの国における現在の合計特殊出生率について日本と比較し、その背景を考察した。ユミさんが考察した内容として下線部に誤りを含むものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- アメリカ合衆国の合計特殊出生率が日本より高い背景の一つとして、外国からの移民を多く受け入れてきたことがある。
- 韓国の合計特殊出生率が日本より低い背景の一つとして、大学進学率が高く、教育費の家計への負担が大きいことがある。
- シンガポールの合計特殊出生率が日本より低い背景の一つとして、日本よりも早くから平均寿命が延びたことがある。
- ノルウェーの合計特殊出生率が日本より高い背景の一つとして、日本よりも早くから少子化対策に取り組んだことがある。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正答は「シンガポールの合計特殊出生率が日本より低い背景の一つとして、日本よりも早くから平均寿命が延びたことがある。」です。
合計特殊出生率とは、要約すると「一人の女性が一生涯に産む子供の数」を意味しています。
合計特殊出生率は各国の経済状況や政策、文化的価値観によって変化します。
おおよその傾向として、発展途上国ほど出生率は高く、先進国なるにつれて出生率が減少します。
誤答です。
これはアメリカについての正しい指摘です。
白人であるアングロサクソン系国民ではなく、移民として入国してきたヒスパニック系などの貧困層が出生率を底上げしています。
誤答です。
韓国についての正しい指摘です。
韓国は日本よりも学歴競争が激しく、大手企業への就職のために優秀な大学への進学を目指す文化があるため、幼少期から高額な教育費が求められます。
また受験に失敗した場合は貧困層に陥るため、あえて子供を作ることは子供本人にとっても親にとってもリスクであるという価値観が蔓延してます。
正答です。
シンガポールの合計特殊出生率の低さは、一概に日本よりも平均寿命が早くから伸びたからとは言えません。
むしろ、以下に述べる先進国の典型的な出生率の低下が原因です。
狭い国土に密集する国民
都市国家であるシンガポールは住宅事情が厳しく、高額な家賃が必要となります。そのため狭いアパルトメントに核家族として住まざるを得ません。
経済発展による女性の活躍
経済が発展することにより多様な価値観が芽生え始め、女性の社会進出が促され始めます。
そのため晩婚化や生涯未婚の人々が増え、出生率の低下の一因となっています。
誤答です。
ノルウェーについての正しい指摘です。
ノルウェーを始めとする北欧諸国は、人口減少に対して早くから政策として対策をしてきました。
具体的には年金制度を始めとする社会保障程度を手厚くし、高齢者に退職後の生活安定を保証しています。
また若い世代には出産や教育面においての支援・保証が整えられています。
社会的にも育児休暇の文化が普及しています。
そのため子供を作ることに対してのためらいが少ない環境が整っています。
北欧諸国の先進性は経済的、文化的によく問われるので確認しておきましょう。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
誤りを含むのは、
「シンガポールの合計特殊出生率が日本より低い背景の一つとして、日本よりも早くから平均寿命が延びたことがある。」 です。
出生率に大きく影響するのは育児費用や住宅事情、家族観の変化などであり、平均寿命が延びた時期の早さは主要な要因とは言えません。
外国からの移民、とくにヒスパニック系の比較的高い出生率が全体を押し上げています。
移民受け入れが出生率を支えているという指摘は妥当です。
大学進学率の高さや教育費負担の重さが結婚・出産を遅らせ、極端な低出生率につながっているとされています。
この説明は適切です。
低出生率の主な背景は、住宅費の高さ、女性の高学歴化、家族規模縮小の価値観、政府の産児制限政策の影響などです。
平均寿命が日本より早く延びたことと出生率低下を直接結び付けるのは根拠に乏しく、説明として不適切です。
育児休業制度や男性の育児参加促進などを早期に整え、家族支援策を充実させてきました。
こうした対策が出生率の維持に寄与していると評価されており、説明は妥当です。
出生率を左右する要因は経済・社会政策や文化的価値観に関連するものが中心です。
平均寿命の延びが早かったことを出生率低下の主因とするシンガポールの説明は適切ではないため、この選択肢が誤りに該当します。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
世界の各国の「合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数の平均)」と、その背景にある社会事情の問題です。
「誤っているものを選べ」という問題形式は、テスト本番でうっかり正しいものを選んでしまうミス(ケアレスミス)が非常に多いので、問題文の「誤り」という言葉に大きくマルをつけてから解くのがおすすめです。
正しい
アメリカは先進国の中では比較的出生率が高い国でした。その大きな理由が「移民の受け入れ」です。特にヒスパニック系(中南米からの移民)などは、伝統的に家族を多く持つ傾向があり、国全体の出生率を押し上げてきました。
正しい
韓国の出生率は現在「世界最低(1.0を大きく下回る)」という事態にあります。その最大の原因が、日本以上に過酷な「超・学歴社会(受験戦争)」と、それに伴う「塾などの教育費の高さ」です。若者が経済的負担から結婚や出産を諦めているということです。
誤り
「日本よりも早くから平均寿命が延びたこと」が少子化の背景だと書かれていますが、ここが間違い(逆)です。
事実: 日本は世界に先駆けて平均寿命が延び、高齢化が進んだ「長寿化・少子高齢化のトップ」です。シンガポールの経済発展とそれに伴う平均寿命の延びは、日本よりも「後」に起こりました。
本当の理由: シンガポールの出生率が日本より低い(世界最低水準)理由は、急激な経済成長に伴う「住宅価格の高騰」や、日本や韓国と同じような「激しい学歴競争・教育費の負担増」そして「女性の社会進出」などが原因です。
したがって、歴史的な事実と異なることが書かれている本選択肢が正解(誤った文章)となります。
正しい
ノルウェーなどの北欧諸国やフランスは、日本よりも先に少子化の波に直面しました。しかし、いち早く「手厚い子育て支援(保育所の整備など)」や「男女の働き方改革(男性の育休など)」といった少子化対策に国を挙げて取り組んだ結果、出生率の低下を食い止め、日本よりも高い水準を維持しています。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問79)へ
令和5年度(2023年度)追・再試験 問題一覧
次の問題(問81)へ