大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問47 (日本史B(第3問) 問3)
問題文
マユ:中世になると鎌倉幕府が成立するけれど、a 京都の朝廷も権力を持っているし、荘園領主も大きな権力を持っていたんだよね。
ヨシミ:だから中世には、幕府の法や朝廷の法、荘園領主の法など複数の法が併存していたみたいだね。それから戦国大名の中には分国法を制定した者もいたよね。
マユ:様々な権力がそれぞれに異なる法を出していたなんて、よく社会が混乱しなかったよね。
ヨシミ:鎌倉幕府の出した法令は主に御家人を対象としたように、それぞれの法は適用範囲が異なっていたから大丈夫だったんじゃない。
マユ:でも、b 1297年の永仁の徳政令については、御家人以外の人たちも適用を求めたことがあったようだよ。
ヨシミ:そうか、支配する権力者たちは法の適用範囲を定めたけど、支配される人たちはそれを守るとは限らなかったわけか。
マユ:それに、山城国下久世(しもくぜ)荘の名主・百姓が起こした訴訟は、c 南北朝時代の出来事だったという点も面白いね。
ヨシミ:それだけ永仁の徳政令の影響力が大きかったことが分かるよね。
マユ:中世の荘園の名主・百姓たちは、自らの利益を守るために様々な活動をしたんだね。
下線部cに関連して、南北朝時代の文化について述べた次の文X・Yと、それに該当する語句a~dとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X この人物は、南朝の立場から皇位継承の正統性を説いた『神皇正統記』を著した。
Y この人物は、連歌の規則書として『応安新式』を制定し、『菟玖波集』を編集した。
a 北畠親房
b 一条兼良
c 二条良基
d 宗祇
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問47(日本史B(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
マユ:中世になると鎌倉幕府が成立するけれど、a 京都の朝廷も権力を持っているし、荘園領主も大きな権力を持っていたんだよね。
ヨシミ:だから中世には、幕府の法や朝廷の法、荘園領主の法など複数の法が併存していたみたいだね。それから戦国大名の中には分国法を制定した者もいたよね。
マユ:様々な権力がそれぞれに異なる法を出していたなんて、よく社会が混乱しなかったよね。
ヨシミ:鎌倉幕府の出した法令は主に御家人を対象としたように、それぞれの法は適用範囲が異なっていたから大丈夫だったんじゃない。
マユ:でも、b 1297年の永仁の徳政令については、御家人以外の人たちも適用を求めたことがあったようだよ。
ヨシミ:そうか、支配する権力者たちは法の適用範囲を定めたけど、支配される人たちはそれを守るとは限らなかったわけか。
マユ:それに、山城国下久世(しもくぜ)荘の名主・百姓が起こした訴訟は、c 南北朝時代の出来事だったという点も面白いね。
ヨシミ:それだけ永仁の徳政令の影響力が大きかったことが分かるよね。
マユ:中世の荘園の名主・百姓たちは、自らの利益を守るために様々な活動をしたんだね。
下線部cに関連して、南北朝時代の文化について述べた次の文X・Yと、それに該当する語句a~dとの組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X この人物は、南朝の立場から皇位継承の正統性を説いた『神皇正統記』を著した。
Y この人物は、連歌の規則書として『応安新式』を制定し、『菟玖波集』を編集した。
a 北畠親房
b 一条兼良
c 二条良基
d 宗祇
- X ― a Y ― c
- X ― a Y ― d
- X ― b Y ― c
- X ― b Y ― d
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この過去問の解説 (3件)
01
中世の人物の功績から出題されました。
Xはa北畠親房です。「南朝の立場から皇位継承の正統性」、「『神皇正統記』」とあります。bの一条兼良は室町時代の公家・学者であり、主要著書は『公事根源』『樵談治要』です。
Yはc二条良基です。「『応安新式』」「『菟玖波集』」とあります。dの宗祇は連歌を大成させた人物であり、『新撰筑波集』を編集した人物です。
適切な選択肢です。
不適な選択肢です。
不適な選択肢です。
不適な選択肢です。
人物の功績からの基本的な出題パターンではありますが、受験生が後回しにしがちな文化史からの出題となりました。文化史に関しても着実に得点できるようにしましょう。
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02
●問題のポイント
南北朝の文化について述べた文に該当する人名との正しい組合せを選ぶ問題です。
●解答
正しい組合せは、X-a Y-cとなります。
各文の内容にあたる人物を確定しましょう。
X.この人物は、南朝の立場から皇位継承の正統性を説いた「神皇正統記」を著した。
「神皇正統記(じんのうしょうとうき)」は、北畠親房(きたばたけちかふさ)の著です。三種の神器を保持する南朝の正統性を訴えるために書かれたとされています。
Y.この人物は、連歌の規則書として「応安新式」を制定し、「菟玖波集」を編集した。
「応安新式」(おうあんしんしき)は歌人・二条良基(にじょうよしもと)が著した連歌の形式書です。「菟玖波集(つくばしゅう」は、連歌師の救済(ぐさい)の協力を得て編集しました。
したがって、正解は「a・c」になります。
bの一条兼良(いちじょうかねら)は、室町時代の摂政・関白で、足利義尚の求めに応じて、政治の要点を説いた「樵談治要(しょうだんちよう)」は貴重な史料とされています。
dの宗祇(そうぎ)は、室町時代後期の「連歌」を大成し、全国に広めた「連歌師」で、「新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)」を編集しました。
正しい組合せです。
X:aは、合っています。
Y:cは、合っています。
組合せは誤りです。
一条兼良と宗祇は、室町時代の文化人です。
南北朝時代の著作者は、「神皇正統記」を著した北畠親房と「菟玖波集」を編集した二条良基です。
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03
正しい組合せは「X―a Y―c」です。
【各文が示す人物と内容】
Xに当たる人物
『神皇正統記』は北畠親房の著作です。
南朝の立場から天皇の系統を論じ、南朝こそ正統であると主張しました。
Yに当たる人物
『応安新式』と『菟玖波集』をまとめたのは二条良基です。
彼は武家政権のもとで連歌を洗練し、後の宗祇らへ続く連歌文化の基礎を築きました。
b(一条兼良)は室町後期の公家学者で、南北朝期に合いません。
d(宗祇)は室町後期の連歌師で、南北朝期ではありません。
正しい組み合わせです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
・北畠親房:南朝の政治理論書『神皇正統記』を著した。
・二条良基:南北朝期に連歌の規範『応安新式』を定め、『菟玖波集』を編集した。
よって、「X―a Y―c」 が最も適当です。
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