大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問52 (日本史B(第4問) 問3)
問題文
フミ:もともと室町時代には朝鮮などから( ア )が多く輸入されていたよね。でも、( ア )は江戸時代前期までに国産化が進んで、庶民も、それ以前のように( イ )を使った衣料から、次第に( ア )を使った衣料を着るようになっていったんだ。
サト:もっと高級な、中国産の生糸や絹織物も、戦国時代になると大量に輸入されたね。日本にやってくるようになったポルトガル船もおもにそれらを積んできたんだ。
フミ:a 江戸幕府がポルトガル船の来航を禁止した時にも、ポルトガル船に代わってオランダ船などから生糸や絹織物を輸入できるか、慎重に確認した
みたい。ほかに砂糖や薬の原料も輸入されていたね。
サト:でも、多くの高級品を輸入するには、対価として輸出できる物がないと貿易が成り立たないよね。
フミ:それが鉱産物、特に( ウ )だったんだ。16世紀半ばから17世紀の初めにかけて、日本は( ウ )を増産するようになり、世界の中でも主要な産出国だったんだよね。
サト:18世紀になると、輸出品の内容は変わって、b 俵物の輸出が促進されるようになったんだよね。
フミ:でも、それまで輸入していた物産が、次第に国産化されるようになったことも重要だよね。
サト:そうそう。c 輸入に頼っていた砂糖は国産化が進むんだよね。
フミ:ほかにも、d 生糸や絹織物が国内で生産されるようになったことは人々のくらしにも大きな影響を及ぼしたんだよね。
下線部bに関連して、俵物の輸出に関して述べた次の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X 俵物の輸出が促進された背景には、17世紀末に中国からの来航船が減り、貿易額も減少したため、幕府が輸出増加策をとったことがあげられる。
Y 俵物の輸出が促進されたため、蝦夷地で干しあわび・いりこなどの生産が活発になった。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問52(日本史B(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
フミ:もともと室町時代には朝鮮などから( ア )が多く輸入されていたよね。でも、( ア )は江戸時代前期までに国産化が進んで、庶民も、それ以前のように( イ )を使った衣料から、次第に( ア )を使った衣料を着るようになっていったんだ。
サト:もっと高級な、中国産の生糸や絹織物も、戦国時代になると大量に輸入されたね。日本にやってくるようになったポルトガル船もおもにそれらを積んできたんだ。
フミ:a 江戸幕府がポルトガル船の来航を禁止した時にも、ポルトガル船に代わってオランダ船などから生糸や絹織物を輸入できるか、慎重に確認した
みたい。ほかに砂糖や薬の原料も輸入されていたね。
サト:でも、多くの高級品を輸入するには、対価として輸出できる物がないと貿易が成り立たないよね。
フミ:それが鉱産物、特に( ウ )だったんだ。16世紀半ばから17世紀の初めにかけて、日本は( ウ )を増産するようになり、世界の中でも主要な産出国だったんだよね。
サト:18世紀になると、輸出品の内容は変わって、b 俵物の輸出が促進されるようになったんだよね。
フミ:でも、それまで輸入していた物産が、次第に国産化されるようになったことも重要だよね。
サト:そうそう。c 輸入に頼っていた砂糖は国産化が進むんだよね。
フミ:ほかにも、d 生糸や絹織物が国内で生産されるようになったことは人々のくらしにも大きな影響を及ぼしたんだよね。
下線部bに関連して、俵物の輸出に関して述べた次の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後のうちから一つ選べ。
X 俵物の輸出が促進された背景には、17世紀末に中国からの来航船が減り、貿易額も減少したため、幕府が輸出増加策をとったことがあげられる。
Y 俵物の輸出が促進されたため、蝦夷地で干しあわび・いりこなどの生産が活発になった。
- X:正 Y:正
- X:正 Y:誤
- X:誤 Y:正
- X:誤 Y:誤
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
俵物に関する出題です。
Xは誤りです。俵物が輸出品として増加した時代は、10代将軍家治の治世である、田沼意次の時代です。
Yは正しいです。蝦夷地を産地とする「いりこ」「干しあわび」「ふかのひれ」が主要輸出品として取り扱われました。
不適な選択肢です。
不適な選択肢です。
適切な選択肢です。
不適な選択肢です。
俵物に関する知識でしたが、江戸幕府の輸出入に関する横断的な知識も、まとめておきましょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
●問題のポイント
18世紀に俵物の輸出が促進されるようになりました。俵物の輸出に関しての記述について、正しいか誤っているかを判断し、その組合せが正しいものを選ぶという問題です。
●解答
俵物(たわらもの)とは、「いりこ・干しあわび・ふかひれ」の3品目の海産物の総称で、俵に詰められて輸出されたことから、俵物と呼ばれました。
俵物での輸出が促進されたのは、10代将軍徳川家治の時代。政治の中心となったのは老中の田沼意次(たぬま おきつぐ)でした。田沼は貿易を拡大させましたが、自動的に金銀が海外に流出してしまうことを懸念していました。そこで、支払いの際に銅や俵物とよばれる海産物(いりこ・干しあわび・ふかひれ)を使って支払いを行ったわけです。
鎖国時代の貿易港である出島では、オランダ、中国との貿易が行われていました。
「いりこ・干しあわび・ふかひれ」は中華料理の高級材料として珍重されていましたから、貿易の相手国の中国も納得したというわけです。これらの海産物は、蝦夷地(北海道)の特産品でした。
以上のことから、記述のXは誤りで、Yが正しい文になります。
X.俵物の輸出が促進された背景には、17世紀末に中国からの来航船が減り、貿易額も減少したため、幕府が輸出増加策を取ったことがあげられる。
Y.俵物の輸出が促進されたため、蝦夷地で干しあわび・いりこなどの生産が活発になった。
この組み合わせは誤りです。
この組み合わせは誤りです。
「X:誤、Y:正」は正しい組合せです。
この組み合わせは誤りです。
貿易を拡大させるという施策には、金や銀の流出が懸念されました。
というのも外国と比べて日本の金や銀は非常に安かったので、多くの金や銀が外国に流出してしまっていました。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問51)へ
令和6年度(2024年度)本試験 問題一覧
次の問題(問53)へ