大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問77 (地理B(第2問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問77(地理B(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ヨシエさんたちは、地理の授業で鉄鋼業を手掛かりに、世界と日本の資源と産業の変化について探究した。この探究に関する次の問いに答えよ。

最後にヨシエさんたちは、製造業が地域社会に様々な影響を及ぼしてきたことに着目した。次の資料1は、日本において製造業が盛んないくつかの地域における、資源や産業をめぐる新しい取組みについて、ヨシエさんたちがまとめたものである。資料1中の空欄P~Rには、具体的な取組みを述べた文サ~スのいずれかが当てはまる。P~Rとサ~スとの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

具体的な取組み
サ  地元の中小企業が地域の大学や他企業と連携して、製造業の新たな分野に進出する。
シ  照明がともされた稼働中の工場群を、夜景として観賞できる機会を提供する。
ス  生ごみや間伐(かんばつ)材を利用して発電する施設を建設し、地域の電力自給率を向上させる。
問題文の画像
  • P:サ  Q:シ  R:ス
  • P:サ  Q:ス  R:シ
  • P:シ  Q:サ  R:ス
  • P:シ  Q:ス  R:サ
  • P:ス  Q:サ  R:シ
  • P:ス  Q:シ  R:サ

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「P:シ Q:ス R:サ」です。

 

近年の製造業の企業理念、コンプライアンスの変化について問われています。

 

>「関連する施設に新たな価値を見出し、地域の魅力を高める」

鉄鋼所や石油化学コンビナートなどは一時期有害物質を排出する施設として地域住民から疎まれてきましたが、近年は夜間の工場照明などを観光スポットとして魅せることにより、地元地域への貢献に取り組んでいる企業が増えてきました。

→P:シ

 

>「持続可能なエネルギー利用により、環境に配慮した社会を構築する」

石油・石炭を大量に消費する経営状態から、ソーラー発電・風力発電・バイオマスエネルギーなどを利用することにより、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した産業構造を目指します。これにより、企業のブランドイメージを向上させることが出来ます。

→Q:ス

 

>「特定の大企業に依存する企業城下町から脱却する」

例えば豊田市など、特定の大企業の下請けを中心とした中小零細企業は、元受けの大企業の経営方針に大きく自社の経営状況が左右されます。そのため、独自の技術開発や大学などとの連携により新しい分野を切り開き、特定の大企業への依存体質を改変しようと取り組んでいます。

→R:サ

 

選択肢1. P:サ  Q:シ  R:ス

間違った組み合わせです。

選択肢2. P:サ  Q:ス  R:シ

間違った組み合わせです。

選択肢3. P:シ  Q:サ  R:ス

間違った組み合わせです。

選択肢4. P:シ  Q:ス  R:サ

正しい組み合わせで、正答です。

選択肢5. P:ス  Q:サ  R:シ

間違った組み合わせです。

選択肢6. P:ス  Q:シ  R:サ

間違った組み合わせです。

まとめ

近年企業としてのコンプライアンスに変化が生じてきています。

大量消費・大量生産という従来の考え方から、環境への配慮、地元地域との連携などの意識改革が進んでいます。

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02

●問題のポイント

製造業が盛んな地域における、資源や産業をめぐる取り組みについてどのような目的で行われているか、具体的な取組みと目的を適合させる問題です。

 

●解答

製造業が地域社会に及ぼした影響は時代によって変遷しています。近年では、環境保全や地域資源と産業の連携強化、次世代を担う人材育成と技術伝承など、製造業の分野でも地域と連携したり、企業努力が求められています。

 

目的に対してどのような具体例が該当するかを考えていきましょう。

1.「関連する施設に新たな価値を見出し、地域の魅力を高める」の具体例は、工場の特性を利用した取り組みが考えられます。24時間稼働している工場では、夜間は照明がともされています。この風景を撮ったフォトコンテストや、夜景ツアーが開催されています。

 

2.「持続可能なエネルギー利用により、環境に配慮した社会を構築する」の具体例は、日本が2030年までに温室効果ガスの26%削減を目指していることを考えると、生ごみや間伐(かんばつ)材を利用した電力自給率の向上が考えられます。

 

3.「特定の大企業に依存する企業城下町から脱却する」の具体例は、製造業の海外展開、輸入増合などから起こる「空洞化」や「国内市場の構造的変化」により、産地・企業城下町の中小企業が、新たな分野への進出が求められていることが考えられます。

 

したがって、正しい組み合わせは「P=シ」、「Q=ス」、「R=サ」です。

選択肢1. P:サ  Q:シ  R:ス

この組み合わせは違っています。

選択肢2. P:サ  Q:ス  R:シ

「Q:ス」のみ正解です

選択肢3. P:シ  Q:サ  R:ス

「P:シ」のみ正解です。

選択肢4. P:シ  Q:ス  R:サ

「P:シ」、「Q:ス」、「R:サ」は正しい組み合わせです。

選択肢5. P:ス  Q:サ  R:シ

この組み合わせは違っています。

選択肢6. P:ス  Q:シ  R:サ

「R:サ」のみ正解です。

まとめ

日本において製造業がどのような新しい取り組みを行っているかは、新聞を読んだりニュースを見て、今どのようなことが必要とされているのか、それに対して私たちや企業はどのように取り組んでいかなければならないのかという問題意識を持つようにしておくとよいでしょう。

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03

正しい組み合わせは、「P:シ Q:ス R:サ」です。

 

3つの目的に合わせて、取組み文サ・シ・スを当てはめると、次のように整合します。

・施設に新たな価値を見出して地域の魅力を高める → 夜景観賞(シ)

・持続可能なエネルギー利用で環境配慮型社会を構築 → バイオマス発電(ス)

・企業城下町からの脱却 → 地元中小企業の新分野進出(サ)

 

【各取組みと目的の対応】

P(地域の魅力を高める):シ

・稼働中の工場夜景を観光資源に転換

→既存の工場群に「観賞」という新しい価値を付け、集客力を高める点が目的に合致します。

 

Q(環境に配慮した社会):ス

・生ごみ・間伐材を燃料とするバイオマス発電は再生可能エネルギーの活用

→電力自給率を上げつつ廃棄物も減らすため、持続可能な地域づくりに直結します。

 

R(企業城下町から脱却):サ

・大企業依存を減らすには、地元中小企業が大学や他社と連携して新事業へ参入することが効果的

→産官学連携で新分野を開拓し、産業構造の多様化を図る点が目的を満たします。

選択肢1. P:サ  Q:シ  R:ス

誤りです。

選択肢2. P:サ  Q:ス  R:シ

誤りです。

選択肢3. P:シ  Q:サ  R:ス

誤りです。

選択肢4. P:シ  Q:ス  R:サ

正しい選択肢です。

選択肢5. P:ス  Q:サ  R:シ

誤りです。

選択肢6. P:ス  Q:シ  R:サ

誤りです。

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