大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問85 (地理B(第4問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問85(地理B(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

環太平洋の地域に関する次の問いに答えよ。

環太平洋の地域には様々な民族衣装がみられ、その素材や機能は地域の気候の特徴を反映している。次の図3中のF~Hは、環太平洋のいくつかの地点における月平均気温と月降水量をハイサーグラフで示したものであり、後の文ア~ウは、図3中のF~Hのいずれかの地点とその周辺でみられる民族衣装を説明したものである。F~Hとア~ウとの組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

ア  アルパカの毛を用い、防寒性に優れた、頭からかぶる着脱が容易な衣服。
イ  トナカイの毛皮や皮を用い、保温性と断熱性に優れた、全身を覆う衣服。
ウ  木綿を用い、通気性と吸湿性に優れた、腰に巻く衣服。
問題文の画像
  • F:ア  G:イ  H:ウ
  • F:ア  G:ウ  H:イ
  • F:イ  G:ア  H:ウ
  • F:イ  G:ウ  H:ア
  • F:ウ  G:ア  H:イ
  • F:ウ  G:イ  H:ア

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「F:イ G:ア H:ウ」です。

 

>F

1月に氷点下まで気温が下がり、7月に20度近くまで気温が下がるため、北半球の冷帯(亜寒帯)気候を示しており、環太平洋地域ではカナダ北部に相当します。トナカイを飼育する伝統的な生活を送るイヌイットと呼ばれる人々は、トナカイの毛皮を身に着けて生活します。

→F:イ

 

>G

年間を通して10度前後の気温を示しており、常春の気候を示す鉱山気候です。アンデス山脈高地が相当します。アルパカというラクダの仲間の動物を飼育し、毛皮を衣服などに利用しています。(リャマは荷役・食肉用です)

→G:ア

 

>H

年間を通して18度以上の気温があり、また1月に雨季があるため、赤道に近い熱帯モンスーン気候の地域であると判断します。メラネシア、ポリネシアが相当します。高温と高い湿度に対処するため、通気性をよい木綿の衣服で生活します。

→H:ウ

選択肢1. F:ア  G:イ  H:ウ

間違った組み合わせで、誤答です。

選択肢2. F:ア  G:ウ  H:イ

間違った組み合わせで、誤答です。

選択肢3. F:イ  G:ア  H:ウ

正しい組み合わせで、正答です。

選択肢4. F:イ  G:ウ  H:ア

間違った組み合わせで、誤答です。

選択肢5. F:ウ  G:ア  H:イ

間違った組み合わせで、誤答です。

選択肢6. F:ウ  G:イ  H:ア

間違った組み合わせで、誤答です。

まとめ

各気候帯により着用する衣服に違いが出てくることを踏まえましょう。

ハイサーグラフの読み方にも慣れておきましょう。

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02

●問題のポイント

環太平洋のいくつかの地点におけるハイサ―グラフから地域の特徴を掴み、その周辺でみられる民族衣装を説明した文とハイサ―グラフの組み合わせが妥当なものを選ぶという問題です。

 

●解答

民族衣装の特徴が書かれた記述文の地域を特定すると気候帯が分かりますから、正しい組み合わせを考えていきましょう。

ア.アルパカの衣服といえば南米大陸のペルーでみられる民族衣装です。頭からかぶるポンチョやひだの多いスカート、帽子などがあります。これらはアルパカの毛などで作られているので防寒性も高くなっています。

この地域の気候は「高山気候帯」です。年間の気温は10℃程度で、年間の気温変動が少ないのが特徴です。最も降雨の少ない月は7月で、数ミリしか降らないときもあります。

ハイサ―グラフは、「G」のグラフが該当します。

 

イ.トナカイの衣服といえば、イヌイットの民族衣装であるアノラックやパーカが挙げられます。保温性と保湿性に優れており、毛皮を内側と外側で使い分ける二重構造で作られた防寒用のフード付き上着です。

この地域の気候は「亜寒帯気候」です。気温の年度差がとても大きい大陸性の気候で、北半球の高緯度に地方に広がる気候帯です。最高気温でも10℃くらいで、冬はマイナス30℃なるところもあります。年間を通じて降水がありますが、月ごとの降水量の差が少ない傾向があります。

ハイサ―グラフは、「F」のグラフが該当します。

 

ウ.木綿の素材で腰に巻くタイプの衣装といえば、インドネシアやマレー半島で着用される「サロン」など熱帯地域の国々にみられます。木綿なので通気性や吸湿性にすぐれており、涼しさを保つための機能的な服装です。

この地域の気候は「熱帯モンスーン気候」です。年間平均気温は26〜30℃で、乾季(5〜10月)と雨季(11〜4月)の二つに分かれています。

ハイサ―グラフは、「H」のグラフが該当します。

選択肢1. F:ア  G:イ  H:ウ

「H:ウ」のみ正解です。

選択肢2. F:ア  G:ウ  H:イ

この組み合わせは、すべて間違っています。

選択肢3. F:イ  G:ア  H:ウ

「E:イ、G:ア、H:ウ」の組み合わせで合っています。正解です。

選択肢4. F:イ  G:ウ  H:ア

「F:イ」のみ正解です。

選択肢5. F:ウ  G:ア  H:イ

「G:ア」のみ正解です。

選択肢6. F:ウ  G:イ  H:ア

この組み合わせは、すべて間違っています。

まとめ

1.アルパカの毛を用いた衣服は、ペルーにみられる民族衣装。「高山気候帯」で年間を通して気温差は少なく、7月の雨量はほとんどありません。

 

2.トナカイの毛皮を用いた衣服は、イヌイットなどにみられる民族衣装。「亜寒帯気候」で気温の年度差がとても大きい大陸性の気候、冬はマイナス30℃なるところもあります。月ごとの降水量の差が少ない傾向があります。

 

3.木綿を用いた衣服は、インドネシアやマレー半島で着用されます。「熱帯モンスーン気候」で年間平均気温は26〜30℃、乾季(5〜10月)と雨季(11〜4月)の二つに分かれています。

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03

正しい組合せは、「F:イ G:ア H:ウ」です。

 

【各地点の気候を読み取る】

F
1月は−15℃前後、7月でも10℃程度です。

降水量は通年少なく100 mmを超えません。
高緯度の寒冷・乾燥地域(ツンドラ〜亜寒帯)

 

G
年間を通じて10〜15℃で推移し、降水量は50〜150 mmと中程度です。
高地ゆえに涼しいが寒冷までは至らないステップ気候に近い内陸高原

 

H
年中ほぼ28℃で、降水量は50 mm前後が続きます。
典型的な熱帯低地(サバナ〜モンスーン型)で、高温多湿

 

【民族衣装の特徴と気候との対応】

イ:トナカイの毛皮で作る全身を覆う衣装(イヌイットのパーカなど)は、強い防寒・防風が必要な極寒地に適します。→F

ア:アルパカ毛の厚手ポンチョは、朝夕の寒暖差が大きいアンデス高原で着用されます。→G

ウ:木綿製で通気がよい腰巻き(サロン、ルンギなど)は、蒸し暑い熱帯の衣服です。→H

選択肢1. F:ア  G:イ  H:ウ

誤りです。

選択肢2. F:ア  G:ウ  H:イ

誤りです。

選択肢3. F:イ  G:ア  H:ウ

正しい組み合わせです。

選択肢4. F:イ  G:ウ  H:ア

誤りです。

選択肢5. F:ウ  G:ア  H:イ

誤りです。

選択肢6. F:ウ  G:イ  H:ア

誤りです。

まとめ

・高緯度の酷寒乾燥地Fには防寒性最高の

・年中涼しい高地Gには保温・通気を両立する

・熱帯高温湿潤地Hには軽く風通しの良い

 

したがって、「F:イ G:ア H:ウ」が最も適当です。

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