大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問77 (地理B(第2問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問77(地理B(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ナオさんたちは、地理の授業で、持続可能な資源利用と産業のあり方について探究した。この探究に関する次の問いに答えよ。

ナオさんたちは、これまでの探究を振り返り、話し合った。ナオさんたちと先生との会話文中の下線部①〜④のうちから、世界の持続可能な資源利用や産業のあり方としては誤りを含むものを一つ選べ。

先生 「世界の持続可能な資源利用や産業のあり方として、どのような取組みが必要でしょうか」
ナオ 「産業革命以降、工業化が進んできました。これまでの反省をふまえ、現在、世界の国々では、工業化と環境保全の両立を目指しています」
タク 「化石燃料を利用する工場を先進国から途上国に移転させることで、途上国の工業化と世界の二酸化炭素排出量の削減を同時に図ることができると思います」
ナオ 「先端技術産業で必要となる希少な鉱物資源は、近年、国際的に需要が高まっています。持続的な利用のために、資源を産出する地域の人々の権利を保護しつつ、資源を安定的に流通させる仕組みをつくっていくことが必要だと思います」
タク 「先進国は、様々な食料を世界各地から輸入してきました。一方で、飢餓問題が発生している国もあります。伝統的な農業を再評価し、地域の自然環境に配慮して、自給作物を栽培することが、飢餓問題を解消するための一つの策になると思います」
ナオ 「食料生産に伴って生じた廃棄物を資源として再利用し、付加価値を生み出すことは、循環型社会の実現にもつながると思います」

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、工業化と環境保全の両立をするための取り組みが妥当かどうかを考える必要があります。では、実際に問題を見ていきましょう。

選択肢1. ①

誤りです。

先進国から途上国に化石燃料を利用する工場を移しても、世界全体の二酸化炭素排出量は減りません。むしろ、規制が緩い地域に移すことで地球規模の排出量は増える可能性があります。

選択肢2. ②

正しいです。

「資源を産出する地域の人々の権利を保護しつつ、資源を安定的に流通させる仕組み作り」は、公正な取引や持続的な資源管理を行うことにつながる正しい取り組みです。

選択肢3. ③

正しいです。

「伝統的な農業を再評価し、地域の自然環境に配慮して、自給作物を栽培すること」は、環境に配慮した持続的農業や食料の安定供給への貢献に繋がります。

選択肢4. ④

正しいです。

「食糧生産に伴って生じた廃棄物を資源として再利用し、付加価値を生み出すこと」は、循環型社会に貢献することに繋がります。具体的には、食品廃棄物を有機肥料に変換したり、ペットボトルを新しいペットボトルの材料へと変換したりなどが挙げられます。

まとめ

持続可能な資源利用や産業のあり方としては、資源産出を行う地域の人々の権利を保護すること、地域環境に配慮した自給農業、食料廃棄物の再利用はいずれも適切な取り組みです。一方で、「化石燃料を利用する工場を先進国から途上国に移転すれば世界の二酸化炭素排出量が減る」という考えは誤りです。移転しても排出量は世界全体で減らず、むしろ規制の緩い地域で排出が増えるおそれがあります。

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