大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問2 (歴史総合,世界史探究(第1問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問2(歴史総合,世界史探究(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

歴史総合の授業で、「国際イベントとその影響」という主題を設定し、「各イベントが、近現代の歴史の大きな変化の中で、どのような役割を果たしたのか」という問いを立てて各班で調べ、発表に向けた準備をしている。これらの活動に関連した次の文章を読み、後の問いに答えよ。(資料には、省略したり、改めたりしたところがある。)

1班は、19世紀に開催された万国博覧会(万博)について調べた。その内容に関して、班内で話合いが行われている。

奥田:19世紀の主な万博の開催地は、ロンドン、パリなど欧米の主要都市だね。
鈴木:日本は、早くも幕末から万博に参加していて、明治政府としては1873年のウィーン万博に初めて公式参加したんだって。ちょうどこの頃、( ア )のために欧米諸国に派遣されていた岩倉使節団は、この万博を見学したらしいよ。
渡辺:1889年のパリ万博では、鉄製のエッフェル塔が建設され、1900年のパリ万博では、きらびやかな電気館が人気を集めていたんだ。この時、パリでは地下鉄が開通して、動く歩道まで登場したそうだよ。
奥田:つまり、この時期の万博は、( イ )ということだね。
渡辺:そうだね。でも、万博には、帝国主義や植民地主義との関わりもあったらしいよ。1889年の万博では、植民地館やネイティブ・ビレッジというのも作られて、植民地の物産だけではなく、植民地の住民たちが「展示」されたんだ。
鈴木:人間を展示するなんて、私たちには考えられないし、今では否定されているけれど、その背景には、当時の欧米人がアフリカやアジアなどに対して持っていた優越感や、露骨な人種差別意識があったんだろうね。

鈴木さんはさらに、当時の欧米人が持っていた優越感や人種差別意識の事例について調べ、19世紀末のフランス人の経済学者ポール=ルロワボーリューが書いた資料1を見つけた。資料1から読み取れる内容あ・いと、下線部(a)と同様の考えや背景があると推測される歴史的事象X・Yとについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料1
近代世界は、四つの地域から成り立っている。第一に、西洋文明が支配している地域。第二に、西洋文明ではないが、その歴史と国民性によって自治を追求している住民の地域。第三に、停滞的で、統一的・進歩的な国民を形成するに至っていない地域。第四に、みじめな生活を送る、野蛮で未開な諸民族が暮らす地域。
文明諸民族には、第三と第四の諸民族に干渉する権利がある。(a)後進諸民族の教育や保護は、資本と文明に富んだ諸民族のなすべきことである。

資料1から読み取れる内容
あ  近代世界は、対等な関係に基づく多様な諸民族から構成されていると考えられていた。
い  近代世界の諸民族は、文明化の度合いに応じて序列化されていると考えられていた。

歴史的事象
X  東南アジア諸国連合(ASEAN)の結成
Y  日本による南洋諸島の委任統治
  • あ ― X
  • あ ― Y
  • い ― X
  • い ― Y

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