大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問53 (歴史総合,日本史探究(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問53(歴史総合,日本史探究(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

日本史探究の授業で、セナさんのグループは「中世における仏教と国家・社会との関係」を主題として、資料を基に探究することになった。次の文章を読み、後の問いに答えよ。(資料には、省略したり、改めたりしたところがある。)

セナさんたちは、授業での発表に向けて、資料1・2を準備し、話し合った。

資料1  1183年の藤原(九条)兼実の祈願文
金銅盧遮那仏(るしゃなぶつ)に仏舎利(ぶっしゃり)(注)を奉納する。
この大仏は、もとは聖武天皇が発願(ほつがん)して、鋳造されたものである。その時のご命令には、「私が建立したこの寺が興隆すれば天下も興隆し、衰退すれば天下も衰退するであろう」とある。(中略)(a)仏法が破滅の時を迎え、もとの大仏は焼失してしまった。この時、あちらこちらで反乱が発生し、天下が鎮まらなくなった。世の中が治まるのも乱れるのも、この寺の興廃にかかっているということであろう。
(「尊経閣文庫所蔵文書」)
(注)仏舎利:釈迦の骨や歯と信じられていたもの。信仰の対象として尊重された。

資料2  1237年の朝廷の命令
延暦寺の僧侶である定兼(じょうけん)らの身柄を捕らえて差し出せ。山門の衆徒らは、この一、二年来、洛中で神輿を振るったり、山上(さんじょう)で仏閣を閉ざしたりしている。非常に乱暴な行為であり、類をみない凶悪な行為である。(中略)天皇のご命令によると、諸寺に命じて、その身柄を捕らえて差し出させよ、とのことである。
(『寺家雑筆至要抄』)

セナ:藤原(九条)兼実は後に摂政・関白になった人物なんだけど、資料1は、戦火を受けた(b)この寺の復興が進むなかで、新しく鋳造された大仏に仏舎利を奉納することの趣旨を述べたものだよ。
ユウ:資料2は、朝廷が京都の醍醐寺に下した命令だね。『百練抄』という歴史書によると、同じような命令が五畿七道諸国の国司と「民部卿藤原朝臣」にも下されたんだって。
セナ:「民部卿藤原朝臣」は兼実の曽孫にあたる藤原頼経のことだね。「山上で仏閣を閉ざす」というのはどういうことかな?
ユウ:「山上」は延暦寺のある比叡山の上ということだよね。
セナ:そうすると、(c)延暦寺が「仏閣を閉ざす」ことにどんな意味があるんだろう?
ユウ:「洛中で神輿を振るう」ことと併記されている点に着目して考える必要がありそうだね。

下線部(c)に関して、延暦寺が「仏閣を閉ざす」ことの意味を考察した文あと、朝廷の対応を考察した文いとについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

あ  仏に祈りを捧(ささ)げる法会の開催を拒否することで、朝廷に圧力をかけた。
い  諸寺や諸国の武力によって対応し、幕府に命令は下さなかった。
  • あ ― 正  い ― 正
  • あ ― 正  い ― 誤
  • あ ― 誤  い ― 正
  • あ ― 誤  い ― 誤

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