大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問73 (<旧課程>地理B(第2問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問73(<旧課程>地理B(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

ナオさんたちは、地理の授業で、持続可能な資源利用と産業のあり方について探究した。この探究に関する次の問いに答えよ。

ナオさんは、エネルギー資源の需給の状況を考えるため、資源の大消費国であり原油産出国でもあるアメリカ合衆国の統計を調べた。次の図2は、アメリカ合衆国における石油の生産量、消費量、輸入量、輸出量の推移を示したものである。図2に関することがらについて述べた文として下線部が最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 1980年頃に消費量が急減するのは、需要増加に対し国内の生産量の増加が追いつかなかったためである。
  • 2000年代半ばから輸入量が減少傾向になるのは、再生可能エネルギーが石油を代替するようになったためである。
  • 2000年代後半から生産量が急増するのは、それまで採掘できなかった場所の原油が、採掘技術の進歩により採掘可能になったためである。
  • 2000年代後半から輸出量が急増するのは、貿易摩擦の解消を目的に、日本がアメリカ合衆国から石油を輸入するようになったためである。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、アメリカ合衆国における石油生産量、消費量、輸入量、輸出量の推移を把握しておく必要があります。

特にアメリカの石油生産量は、2000年代後半のシェール革命により飛躍的に増加しておくことをポイントとして押さえておいてください。では各選択肢を検討していきましょう。

選択肢1. 1980年頃に消費量が急減するのは、需要増加に対し国内の生産量の増加が追いつかなかったためである。

この文章は誤りです。1980年代の石油消費量の減少は、第二次石油危機の影響で石油価格が高騰化したことが原因です。

選択肢2. 2000年代半ばから輸入量が減少傾向になるのは、再生可能エネルギーが石油を代替するようになったためである。

この文章は誤りです。2000年代半ばから石油輸入量が減少した主な理由はシェール革命による国内生産増加です。再生可能エネルギ―も徐々に普及しつつありましたが、まだまだ割合としては小さく、石油の代替ができるほどではありません。

 

選択肢3. 2000年代後半から生産量が急増するのは、それまで採掘できなかった場所の原油が、採掘技術の進歩により採掘可能になったためである。

正しい選択肢です。2000年代後半に技術革新によってシェール層から石油や天然ガスを採掘できるよになり、2000年代後半から石油生産が急増しました。これはシェール革命と呼ばれています。

選択肢4. 2000年代後半から輸出量が急増するのは、貿易摩擦の解消を目的に、日本がアメリカ合衆国から石油を輸入するようになったためである。

誤りです。輸出量が急増した原因はシェール革命による生産量の増加と輸出規制の緩和です。日本が輸出量増加の要因ではありません。

まとめ

1980年頃の消費量減少は石油危機によるものであり、生産不足が原因ではありません。また、輸入量の減少は再生可能エネルギーではなくシェール革命による国内生産増加によるものです。輸出量増加も日本との貿易摩擦解消ではなく、シェール革命による生産量の増加と輸出規制の緩和が理由です。

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