大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問74 (<旧課程>地理B(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問74(<旧課程>地理B(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ナオさんたちは、地理の授業で、持続可能な資源利用と産業のあり方について探究した。この探究に関する次の問いに答えよ。

タクさんは、工業と資源利用の関係を考えるため、各国の工業生産の割合とその背景について調べた。次の図3は、いくつかの国における工業付加価値額*の内訳を示したものであり、A~Cは、日本、インド、オーストラリアのいずれかである。また、後の文章ア~ウは、A~Cのいずれかにおける工業の特徴をまとめたものである。A~Cとア~ウとの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
*生産額から賃金以外の生産に必要な経費を引いた、新たに作り出された価値の金額。

ア  かつては輸入代替型工業が中心であった。近年、輸出指向型工業に転換し、多くの人口と豊富な資源を背景に、急速に工業化が進んできた。
イ  原料や燃料を輸入し工業製品を輸出する、加工貿易を行ってきた。近年、より付加価値の高い製品の製造への転換が進んできた。
ウ  多様で豊富な資源を利用した工業が発達してきたが、国内市場は小さい。近年は近隣諸国との結びつきを強めてきた。
問題文の画像
  • A:ア  B:イ  C:ウ
  • A:ア  B:ウ  C:イ
  • A:イ  B:ア  C:ウ
  • A:イ  B:ウ  C:ア
  • A:ウ  B:ア  C:イ
  • A:ウ  B:イ  C:ア

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、各国の工業の特徴を工業付加価値額の内訳と照らし合わせて判断するものです。

 

〈各グラフの特徴〉

・グラフAの特徴

食料品や金属の比率が大きい点が特徴的です。一方、輸送用機械や電気機械の比率は小さめです。資源を基盤とした工業構造で、資源国型なのが分かります。そのため、資源を活かす工業が中心のオーストラリアだと判断することが出来ます。

 

・グラフBの特徴

電気機械・輸送用機械の比率が非常に高い点が特徴です。一方、食料品や繊維の割合は小さいです。高度な加工組立型工業が中心の日本だと判断できます。

 

・グラフCの特徴

繊維や化学の比率が比較的高い点が特徴です。機械関連の割合はまだ小さく、途上国的な工業構造を示しています。そのため急速に工業化を進めている工業化途上のインドだと判断できます。

 

〈各記述の特徴〉

アの記述

かつて輸入代替型工業を進め、近年は輸出指向型へと転換して急速に工業化したインドに当てはまります。

 

・イの記述

原料や燃料を輸入して工業製品を輸出する加工貿易を基盤とし、現在は高付加価値製品へとシフトしてきた日本に当てはまります。

 

・ウの記述

多様な資源を活用する工業が中心で、国内市場は小さいためアジア諸国との結びつきを強めてきたオーストラリアに当てはまります。

 

以上の各グラフ・記述の整理により、正しい組合せは A=ウ、B=イ、C=アが正解です。

選択肢1. A:ア  B:イ  C:ウ

誤りです。

選択肢2. A:ア  B:ウ  C:イ

誤りです。

選択肢3. A:イ  B:ア  C:ウ

誤りです。

選択肢4. A:イ  B:ウ  C:ア

誤りです。

選択肢5. A:ウ  B:ア  C:イ

誤りです。

選択肢6. A:ウ  B:イ  C:ア

正しい選択肢です。

まとめ

今回の問題は、各グラフ・各記述がどの国なのか整理し、当てはめていく必要がある複合的に考える問題でした。オーストラリアは資源中心、日本は加工貿易による高付加価値製品の生産、インドは繊維業などの伝統的産業に加え、急速に工業化を進めていること、を意識して取り組むと解答を導くことが出来ます。

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