大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問92 (地理B(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問92(地理B(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

東京都に住むアキラさんは、大都市圏郊外の変化に関心をもち、入間(いるま)市を含む埼玉県南西部で地域調査を行った。この地域調査に関する次の問いに答えよ。

アキラさんは、入間市の台地で茶が生産されていることを知り、茶生産について調べ、次の資料1を作成した。資料1に関することがらについて述べた文章中の下線部①~④のうちから、適当でないものを一つ選べ。

埼玉県の一番茶の摘採り時期が鹿児島県、静岡県よりも遅い理由として、両県よりも、冬から春にかけての気候が冷涼であることがあげられる。埼玉県は、鹿児島県、静岡県と比べて1経営体あたりの生産量が少ない。入間市において摘採りに機械を導入するのは、一番茶の摘採りの開始時期を早めるためである。また、入間市では、茶生産経営体が生産から加工、販売まで一貫して行う形態が特徴的である。この形態は、茶生産経営体の収益性を高めることをねらいとしている。
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この過去問の解説 (1件)

01

この問題で解く際に意識してほしい点は、鹿児島、静岡、埼玉県の地理的特徴です。

埼玉県は人口も比較的多く、土地の面積も広くないため、大規模農業が出来ません。その工夫として、生産性の向上のための機械導入や生産から販売まで一貫して行う形態を組んでいます。

選択肢1. ①

正しいです。
緯度や気温などの違いによって、南から北にかけて温かくなるため、正しいです。

鹿児島→静岡→埼玉の順番で一番茶の摘採りが始ます。

選択肢2. ②

正しいです。
鹿児島や静岡は大規模な茶畑が多く、専業農家が多く存在します。一方で、埼玉は都市近郊農業で規模が小さいため、1経営体あたりの生産量は少なくなっています。

選択肢3. ③

誤りです。
機械を導入する理由として、労働力不足に伴う生産性の向上が挙げられます。促成栽培のような摘採時期を早めることは機械の導入ではできません。そのため、不適切な文章だと言えます。

選択肢4. ④

正しいです。

生産者自身が、商品の加工や販売を行う六次産業化が見受けられます。自分たち自身であらゆる工程を担うことで利益率を向上させることが目的です。

まとめ

緯度や気温などの地理的な観点から、埼玉の一番茶は鹿児島や静岡に比較して遅く、経営規模も小さいです。また、経営規模の小ささから、加工や販売まで一貫して行うことが出来ます。

一方で、機械の導入は労働力や生産性の効率化のためであり、摘採時期を早める目的ではありません。

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