大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問16 (歴史総合,世界史探究(第3問) 問1)
問題文
次の資料1は、アクティウムの海戦に関する記録である。
資料1
アントニウスは、既にクレオパトラの飾り物になっていたから、陸上戦力ではるかに優勢に立っていたにもかかわらず、この女のために艦隊によって決着を付けたいと望んでいた。この戦いがまだ決着に至らず、均衡を保っていた時、突然、クレオパトラの60隻の船団が帆を張り、外海へ逃げ去っていくのが見えた。この時あらわになったのは、アントニウスが司令官として、あるいは戦士として行動しているのではないという事実である。というのも、女の船が走り去るのを目にしたとたんに、アントニウスは何もかも忘れ、自分のために戦いそして死んでいこうとする者たちを裏切って、さっさと逃げ出したのである。
資料1によれば、有能な軍人だったはずのアントニウスは、クレオパトラに籠絡された結果、戦いに敗れたことになっている。しかし、海軍は既に湾内に閉じ込められており、敵艦隊を突破して脱出することが目的だったと考えれば、クレオパトラやアントニウスの行動は合理的なものだったと言うこともできる。資料1が書かれたのは1世紀末から2世紀前半のことであり、アクティウムの海戦に勝利した側によって戦後に作られた敵方に対する否定的なイメージや、a女性が政治に関わることへの反感を反映したものと考えられる。
こうしたクレオパトラとアントニウスのイメージは、後代にも強く影響した。『ハムレット』などの作品で知られる、16世紀末から17世紀初頭のイングランドで活躍した劇作家( ア )は、資料1の記述などを利用して『アントニーとクレオパトラ』という作品を著している。
文章中の空欄( ア )に入る人物の名あ・いと、資料1から読み取れる勝利した側の見方X・Yとについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
( ア )に入る人物の名
あ シェークスピア
い ラブレー
勝利した側の見方
X この海戦はローマ人同士の戦いだったわけではなく、真の敵はセレウコス朝の女王であった。
Y アントニウスはもはや軍人としての能力を欠いており、指導者としてふさわしくなかった。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問16(歴史総合,世界史探究(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
次の資料1は、アクティウムの海戦に関する記録である。
資料1
アントニウスは、既にクレオパトラの飾り物になっていたから、陸上戦力ではるかに優勢に立っていたにもかかわらず、この女のために艦隊によって決着を付けたいと望んでいた。この戦いがまだ決着に至らず、均衡を保っていた時、突然、クレオパトラの60隻の船団が帆を張り、外海へ逃げ去っていくのが見えた。この時あらわになったのは、アントニウスが司令官として、あるいは戦士として行動しているのではないという事実である。というのも、女の船が走り去るのを目にしたとたんに、アントニウスは何もかも忘れ、自分のために戦いそして死んでいこうとする者たちを裏切って、さっさと逃げ出したのである。
資料1によれば、有能な軍人だったはずのアントニウスは、クレオパトラに籠絡された結果、戦いに敗れたことになっている。しかし、海軍は既に湾内に閉じ込められており、敵艦隊を突破して脱出することが目的だったと考えれば、クレオパトラやアントニウスの行動は合理的なものだったと言うこともできる。資料1が書かれたのは1世紀末から2世紀前半のことであり、アクティウムの海戦に勝利した側によって戦後に作られた敵方に対する否定的なイメージや、a女性が政治に関わることへの反感を反映したものと考えられる。
こうしたクレオパトラとアントニウスのイメージは、後代にも強く影響した。『ハムレット』などの作品で知られる、16世紀末から17世紀初頭のイングランドで活躍した劇作家( ア )は、資料1の記述などを利用して『アントニーとクレオパトラ』という作品を著している。
文章中の空欄( ア )に入る人物の名あ・いと、資料1から読み取れる勝利した側の見方X・Yとについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
( ア )に入る人物の名
あ シェークスピア
い ラブレー
勝利した側の見方
X この海戦はローマ人同士の戦いだったわけではなく、真の敵はセレウコス朝の女王であった。
Y アントニウスはもはや軍人としての能力を欠いており、指導者としてふさわしくなかった。
- あ ― X
- あ ― Y
- い ― X
- い ― Y
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この過去問の解説 (1件)
01
内乱の1世紀の最後を締めくくるアクティウム海戦に関する出題です。
内乱の1世紀は、有力者の私兵・傭兵による権力争いです。
この戦いの最初の勝者はカエサルでした。
しかし、紀元前44年にカエサルが暗殺されると、後継者の座を巡って
オクタヴィアヌスとアントニウスが争いました。
ローマに本拠を置いたオクタヴィアヌスに対し、アントニウスは
プトレマイオス朝の女王クレオパトラ7世と手を組んで対抗しました。
両者の戦いは前31年のアクティウムの海戦で決着します。
アントニウスとクレオパトラを題材としてシェークスピアが書いたのが
問題文で触れられている『アントニーとクレオパトラ」でした。
ラブレーは16世紀フランスのヒューマニストで、
『ガルガンチュワとパンタグリュエルの物語』の著者として有名です。
よって、空欄アには「あ」があてはまります。
また、勝利者の側に立った後世の人々は、アントニウスが軍人としての資質に
欠けていると考えました。
クレオパトラがプトレマイオス朝の女王であることからも、
あてはまるのはYであることがわかります。
文学作品は歴史的事実を題材としていることが多いです。
文学作品と作者を結び付けるだけではなく、
作品の内容や時代背景についても資料集などで整理しておきましょう。
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