大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問42 (歴史総合,日本史探究(第2問) 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問42(歴史総合,日本史探究(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

ケイさんとマナさんは、日本史探究の授業で、菓子に着目して探究活動を行うことにした。次の会話を読み、後の問いに答えよ。(資料には、省略したり、改めたりしたところがある。)

ケイ:図書館やインターネットで調査していたら、資料1を見つけたよ。工藤平助が作成した意見書の一部だ。意見書全体では、長崎貿易の輸出入の制限を訴えているけど、資料1では輸入砂糖が問題になっているみたいだよ。
マナ:この意見書を受け取った人物は、工藤平助の別の献策を取り入れ、蝦夷地の開発やロシアとの交易を計画した人物だね。資料1を読むと、輸入された砂糖がどのように消費されていたかが分かるね。
ケイ:輸入される砂糖がある一方で、国内での砂糖生産もこの意見書が書かれた18世紀後半頃から普及していくんだって。
マナ:江戸時代には、いろいろな和菓子が生み出され、和食の調味料にも砂糖が広く使われるようになったようだね。洋菓子は明治時代以降に広まるのかな?
ケイ:a食生活の変化とともに、大正時代頃に特に洋菓子の普及が進んだみたいだよ。

資料1
下賤の者が、異国の物を味噌(みそ)や塩と同様に、日用の慰みの食物とすることは甚だあってはならないことである。(中略)輸入される砂糖の内、氷砂糖と(注1)大白(たいはく)砂糖は貴人方の御菓子料になる。(注2)中白(ちゅうじろ)砂糖の一年間の総輸入量二百五十万斤の内、百五十万斤は江戸で消費され、残る百万斤は日本国中での入用と見える。(中略)江戸での中白砂糖の消費量百五十万斤の内、四〜五百斤は菓子屋の製造用で、あとは残らず下賤の者の食料などになる。
(「報国以言」)
(注1)大白砂糖:精製した純白の砂糖。
(注2)中白砂糖:大白砂糖よりも精製が粗く、赤色の残る砂糖。

下線部aに関連して、マナさんは資料2と図1に着目した。資料2は菓子新報社の刊行物の記事、図1はミルクキャラメルの新聞広告である。資料2と図1に関して述べた文あ・いについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料2
森永菓子輸出の近況
森永製菓株式会社にては、南洋方面(主に東南アジア・インド方面)における欧州製菓の輸入途絶し、ことに近時彼地にては日本製菓を要望し来りたるを以て、同会社仮置場にては、毎船数十トン位輸出する由にて、なお将来益々(ますます)増加の傾向なりと。
(『菓子新報』)

あ  資料2から、第一次世界大戦の影響で森永製菓株式会社の菓子の輸出量が増していることが推測できる。
い  図1の宣伝から、子どもだけではなく大人も対象になっていたことが読み取れる。
問題文の画像
  • あ ― 正  い ― 正
  • あ ― 正  い ― 誤
  • あ ― 誤  い ― 正
  • あ ― 誤  い ― 誤

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

資料2は、南洋方面で欧州の菓子が入らなくなり、日本の菓子が求められて輸出が増えている状況を述べています。

これは第一次世界大戦による貿易の混乱と結びつけて考えられます。
図1の広告文には、小児だけでなく事務家・読書家・運動家にも向けた表現があり、大人も対象だと読み取れます。

選択肢1. あ ― 正  い ― 正

正解です。

あ(正)

資料2には、南洋方面で欧州製菓の輸入が途絶し、その結果として日本製菓が要望され、毎船数十トンほど輸出していて、今後も増える傾向だと書かれています。
欧州からの供給が止まるのは、第一次世界大戦のような戦争による影響として考えやすく、輸出増加を推測できます。

 

い(正)

図1の広告には、「小児の常用」と書かれる一方で、「事務家・読書家・運動家」の元気や根気にも触れています。

子ども向けだけではなく、大人も想定した宣伝です。

まとめ

この問題は、史料から「言えること」を丁寧に拾うのがポイントです。

下線部a(大正期ごろの洋菓子普及)を考える材料として、戦争による国際流通の変化と、広告が広い層に買ってもらう工夫の両方が示されている、という理解になります。

参考になった数0