大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問53 (歴史総合,日本史探究(第4問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問53(歴史総合,日本史探究(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

陽菜さんと翔太さんは、鎌倉時代の御家人と戦国大名に着目し、中世の武士について探究することにした。次の会話を読み、後の問いに答えよ。(資料には、省略したり、改めたりしたところがある。)

翔太:応仁の乱で京都が荒廃する一方、地方では戦国大名の城下町が発展するようになるんだよね。
陽菜:1542年から1544年にかけて大内氏の城下町の山口を訪れた吉田兼右(よしだかねみぎ)という人の日記に面白い記事(資料3)があるよ。

資料3
吉田兼右の1551年の日記
陶晴賢が反旗を翻したため、大内義隆が切腹したと伝え聞いた。最近、義隆は魔法の修行に励んでいて、私としては嘆くばかりであったが、とうとうこのような事態になってしまった。山口に滞在したときに恩恵を受けたことを思うととても悲しいことだ。
(「兼右卿記」)

翔太:「魔法」と下剋上は関係ないはずだけど、「魔法」って何だろう?
陽菜:兼右としては、義隆の滅亡を「魔法」のせいだと考えているんだね。兼右は吉田兼倶の子孫だから、山口を訪れたのは( ア )を広めるためだったのかな。そして「魔法」は、( イ )のことじゃないかな。
翔太:大内氏が滅亡した後は、毛利氏と尼子氏が石見銀山の支配をめぐって激突したんだよね。
陽菜:それだけ銀山から得られる経済的利益が大きかったのだろうね。
翔太:戦国大名の鉱山開発を手がかりにすると、戦国時代以降に活発化した鉱山開発は、日本社会にどのような影響をもたらしたのだろうか、という問いが立てられそうだね。
陽菜:鉱山開発が活発化した結果、統一権力がみずから貨幣を鋳造するようになり、近世においてさらに貨幣経済が進展したのではないか、という仮説が立てられるかな。
翔太:でも、c鉱山が開発されたというだけでは、貨幣を鋳造する理由にはならないよね。( ウ )という前提があったことも重要だね。

空欄( ア )・( イ )に入る語句の組合せとして正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • ア ― 唯一神道  イ ― キリスト教
  • ア ― 唯一神道  イ ― 黄檗宗
  • ア ― 伊勢神道  イ ― キリスト教
  • ア ― 伊勢神道  イ ― 黄檗宗

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この過去問の解説 (1件)

01

吉田神道は別名唯一神道とも言われ、問題文中の吉田兼倶、兼右といった登場人物から「唯一神道」であると判断できます。またキリスト教は同じ頃西日本を中心に広まり、特に山口の大内義隆はキリスト教普及に熱心であったことから「キリスト教」と判断できます。
 

選択肢1. ア ― 唯一神道  イ ― キリスト教

唯一神道、キリスト教の組み合わせにより、正解肢だと判断できます。

選択肢2. ア ― 唯一神道  イ ― 黄檗宗

唯一神道は正しいですが、黄檗宗は江戸時代に隠元隆琦により開創されたことから誤りの選択肢だとわかります。

選択肢3. ア ― 伊勢神道  イ ― キリスト教

伊勢神道が誤りです。

選択肢4. ア ― 伊勢神道  イ ― 黄檗宗

伊勢神道、黄檗宗とも誤りです。

まとめ

時代背景を把握させ、戦国時代にどのような思想が流行したのか問う問題でした。なぜそれが広まったのか時代背景にも着目して学習していけば解答できる問題でした。

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