大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問69 (地理総合,地理探究(第1問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問69(地理総合,地理探究(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

食料の生産や消費は、自然環境や生活文化にかかわり、地球的課題にも結びついている。これに関する次の問いに答えよ。

次の表1は、南・東南アジアとヨーロッパについて、イモ類の生産量に占める、生産・収穫から消費までの各段階における食品ロスの割合と、最終的な消費量の割合を示したものである。表1に関することがらについて述べた文章中の下線部①〜④のうちから、適当でないものを一つ選べ。

両地域のうち、生産・収穫段階のロスの割合が高いのは、ヨーロッパである。その要因の一つには、小売業者の定める品質基準に満たない生産物が廃棄されることがある。貯蔵段階のロスの割合は、南・東南アジアの方が高い。その要因の一つには、高温湿潤な環境下でイモ類の収穫時期が短期に集中し、貯蔵施設が不足することがある。いずれの地域においても、卸売・小売段階のロスの要因の一つには、小売店で過剰に仕入れた商品を廃棄する状況があげられる。消費段階のロスの割合は、ヨーロッパの方が高い。こうしたロスを削減するために、フードバンクを通じて必要とする人に食品を提供するなどの取組みがみられる。
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この過去問の解説 (1件)

01

表の数値を根拠に文章の正誤を判断する統計読解問題です。
必ず表の具体的な数値と照らし合わせることが重要です。
また、食品ロスの原因が「先進国型(経済・消費者都合)」か「途上国型(インフラ不足)」かを意識して文章を確認しましょう。

選択肢1. ①

表を見るとヨーロッパの数値(20.0%)が南・東南アジアより高く、記述と一致しています。
規格外の農作物が市場に出る前に廃棄されるのは先進国特有の食品ロスの典型的な要因であるため、正しい文章であり不正解となります。

選択肢2. ②

南・東南アジア(熱帯地域)のイモ類の代表的なものとしてキャッサバやヤムイモなどが挙げられます。
ヨーロッパなどの温帯で作られるジャガイモは、冬が来る前に「一斉に収穫(短期集中)」して貯蔵庫に保管する必要があります。
しかし、熱帯気候で作られるキャッサバなどは一年中いつでも栽培・収穫が可能です。

さらにキャッサバには、「土の中に埋めたまま生きた状態で保存し、食べる分・売る分だけ少しずつ掘り起こす」という非常に便利な特徴(天然の貯蔵庫)があります。
つまり、「収穫時期が短期に集中し」という記述が、熱帯のイモ類の農業的特徴と矛盾している為、正しくない文章となりこの選択肢が正解です。

選択肢3. ③

これは先進国のスーパー特有の問題ですが、近年は東南アジアなどの途上国でも急速な経済成長に伴い、都市部を中心に近代的なスーパーマーケットやコンビニエンスストアが多数普及しています。それに伴い、途上国においても小売店での売れ残り・過剰仕入れによる廃棄が実際に「食品ロスの要因の一つ」として社会問題化しつつあります。
したがって、「いずれの地域においても…要因の一つ」とするこの文章は、現代の地理的事実として正しい文章であり不正解となります。

選択肢4. ④

表を見るとヨーロッパの数値(9.8%)が高く、記述と一致しています。
まだ食べられる余剰食品を必要とする人に提供するフードバンクの取り組みは、先進国における消費段階のロス削減策として妥当であるため、正しい文章であり不正解となります。

まとめ

先進国と途上国のロスの違いという基本の「その先」にある、「熱帯のイモ類は一年中いつでも収穫できる(短期集中しない)」という重要な農業知識を突いた、引っかけ問題です。

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