大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問84 (地理総合,地理探究(第4問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問84(地理総合,地理探究(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

エネルギーと産業に関する次の問いに答えよ。

近年の企業間分業では、新しい形態のサプライチェーンが増えている。次の図3は、ファブレス企業であるスマートフォンメーカーE社のサプライチェーンを模式的に示したものである。図3に関することがらについて述べた文章中の下線部選択肢のうちから、適当でないものを一つ選べ。

ファブレス企業では、市場ニーズの変化に対応するため、多大な設備投資を必要とする製造部門を切り離している。E社の場合、本社は、商品開発やマーケティングに業務を特化し、先端技術産業の集積地に立地している。
一般的に、ファブレス企業と取引するf社やw~z社のような工場の多くは、複数の企業から製造工程の一部を委託されている。
以上から、E社のようなファブレス企業のサプライチェーンでは、部品製造の工場と製品の消費地とが近接する傾向となる。
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この過去問の解説 (1件)

01

自社工場を持たない「ファブレス企業」を中心とした現代のグローバルなサプライチェーン(製品供給網)に関する問題です。
このような企業間分業の問題では、各企業が「何に特化し、どこに立地することでコストを削減しているか」を考えるのがコツです。
図の流れと下線部の記述を照らし合わせ、現代の国際的な生産・販売体制の実態と矛盾しているものを見つけましょう。

選択肢1. ①

ファブレス(fabless)とは、自社「工場(fab)」を持たない(less)という意味です。
スマートフォンのようなハイテク製品は、工場の建設や維持に莫大なコストがかかります。
E社はこのリスクの高い製造部門を外部に委託して切り離しているため、この記述は適当であり、不正解です。

選択肢2. ②

工場を持たないE社本社は、浮いた資金を商品の企画・設計や広告宣伝に集中させることができます。
また、優秀な人材や最新の技術情報を得るために、シリコンバレーなどの先端技術産業の集積地に立地するのが一般的であるため、この記述は適当であり、不正解です。

選択肢3. ③

E社から製造を請け負う工場(EMS:電子機器受託製造サービスと呼ばれます)は、一つの会社の製品だけを作るより、複数の企業から大量に製造を請け負うことで、工場の稼働効率を極限まで高めてコストを下げています
図の工場も他の企業からの委託も受けていると考えられるため、この記述は適当であり、不正解です。

選択肢4. ④

スマートフォンのような小型・軽量の電子部品は、輸送費が安く済みます。
そのため、部品製造や組み立てを行う工場は消費地の近くである必要はなく、人件費の安い新興国や特定の技術を持った国に立地し、そこから世界中へ輸出される体制をとっています。
したがって、「消費地に近接する」という記述は実態と合っておらず適当ではないため、これが正解となります。

まとめ

現代のスマートフォンの生産は、先進国にある本社(企画・開発)と、新興国などにある工場(部品製造・組立)、そして世界中の市場(消費地)というように、国境を越えた分業が行われています。
電子部品は輸送が容易であるため、部品製造工場がわざわざコストの高い消費地に近接して立地する必要はないという地理的・経済的な原則を見抜くことで、正解を導き出すことができます。

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