大学入学共通テスト（地理歴史） 過去問
令和7年度（2025年度）追・再試験
問28 (歴史総合,世界史探究（第5問） 問1)

世界史探究の授業で、人々が直面した困難や危機について班別学習を行い、資料を基に探究した。各班の発表に関連した次の問いに答えよ。（資料には、省略したり、改めたりしたところがある。）

1班は、16～17世紀にユーラシア西部で気候が寒冷化した現象に注目し、それが社会や生活に及ぼした影響を考えた。16世紀の西ヨーロッパで描かれた絵画（図）と、17世紀のオスマン帝国に関する年代記（資料1）とを見つけ、パネル1に考察をまとめた。パネル1中の空欄（　ア　）に入る語句と、（　イ　）に入る文との組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料1
1621年は厳しい冬となり、ボスフォラス海峡が凍結したため、人は船を使わず氷の上を歩いて渡った。市中では寒さのあまり凍死した者もおり、大地は雪にうずもれた。そこに飢饉（ききん）と物価騰貴が襲い、僅かでもパンが買えればましな方であった。この飢饉が生じた原因は、海が凍結したことでイスタンブルに船が近づけず、食糧を搬入できなくなったからである。

パネル1
・図は、（　ア　）の生活を描いたブリューゲルの油彩画である。河川が凍結し、人が上に立てるほど厚い氷が張ったことが分かる。
・図に描かれた人々は氷上で楽しそうに遊んでいるが、図のモデルとされるフランドル地方は1560年代半ばに寒波に見舞われ、厳しい生活を強いられた。
・資料1からは、オスマン帝国の首都イスタンブルも17世紀に入って寒冷化の影響を受け、厳しい状況に置かれていたことが分かる。
・資料1からは、海が凍った結果、（　イ　）などの困難が生じたことも分かる。