大学入学共通テスト（地理歴史） 過去問
令和7年度（2025年度）追・再試験
問29 (歴史総合,世界史探究（第5問） 問2)

世界史探究の授業で、人々が直面した困難や危機について班別学習を行い、資料を基に探究した。各班の発表に関連した次の問いに答えよ。（資料には、省略したり、改めたりしたところがある。）

2班は、17世紀の清朝の貿易制限がもたらした困難を取り上げ、当時の記録（資料2）を見つけ、メモを作成した。資料2を参考にしつつ、メモ中の空欄（　ウ　）について述べた文あ・いと、（　エ　）に入る語句X・Yとについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

資料2
昨今、農民も職人も商人も、国中みなが苦しんでいる。穀物は安いのに買って食べることができず、布は安いのに買って服にすることはできない。商人は市場を転々とするが、商品はちっとも売れずに大赤字。取引するための現金がないからである。最近は中産階層の家庭でも、十日の間、まとまった現金を一度も見かけない。みな手元に現金がないので、商品は売れず、値段を下げても棚ざらしのままである。

メモ
・清朝では、明朝の時期から引き続き、銀を貨幣として使っていた。
・物価の下落で収入が減り、人々が苦しんでいた時期には、康熙帝が、（　ウ　）との戦争の一環として、厳しい貿易制限を行っていた。
・銀を輸入に依存していた清朝では、貿易が停止することで、資料2のように（　エ　）して、物価の下落が発生したと考えられる。

（　ウ　）について述べた文
あ　　台湾に拠点を置いて、日本や中国、東南アジアを結ぶ交易を行った。
い　　マドラスやカルカッタを拠点とし、中国にアヘンを輸出した。

（　エ　）に入る語句
X　　貨幣の供給が減少
Y　　商品の供給が増加