共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問73 (地理総合,地理探究(第2問) 問4)

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問題

共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問73(地理総合,地理探究(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

広島県の高校に通うセイヤさんたちは、愛媛県今治(いまばり)市の地域調査を行った。この地域調査に関する次の問いに答えよ。

高校に戻ったセイヤさんたちは、地場産業の変化を検討するために、国内におけるタオルの生産量や輸入割合などの推移に関する次の資料1を作成した。資料1をみてセイヤさんたちが話し合った会話文中の空欄Pには語句アとイのいずれか、空欄Qには語句x~zのいずれかが当てはまる。空欄PとQに当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

セイヤ「今治市では複数の造船所をみたけど、繊維工場もあったね。タオル製造業を例に、地場産業の変化について考えてみよう」
ヒトミ「タオル製造業には様々な工程が含まれ、主に中小企業によって産地が形成されているようだよ。今治産地では、1975年から1990年までタオル生産量が増加しているね。この要因として、主に( P )が進められたことがあると考えられるよ」
セイヤ「1990年代半ば以降になると、生産量は減少傾向に変わっているよ。今治産地のタオル製造業は、主に( Q )との価格競争の激化により、大きな影響を受けたと考えられるね」
ヒトミ「この対応策の一つとしてブランド化が図られて、2007年に『今治タオル』が地域団体商標に登録されたよ。他の地場産業の動向も考えてみたいね」

( P )に当てはまる語句
ア  各事業所における生産設備の大型化
イ  複数の事業所による作業工程の分業化

( Q )に当てはまる語句
x  国内の他産地
y  先進国の産地
z  発展途上国の産地
問題文の画像
  • P:ア  Q:x
  • P:ア  Q:y
  • P:ア  Q:z
  • P:イ  Q:x
  • P:イ  Q:y
  • P:イ  Q:z

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この過去問の解説 (3件)

01

今治のタオル産業に関する複数のグラフ資料を読み取り、地場産業の変化について交わされた会話文の空欄(PとQ)に入る語句を答える問題です。

 

「今治産地におけるタオル生産量と事業所数の推移」のグラフより以下のことが読み取れます。

・1975年から1990年までタオル生産が増加した

・1975年から2019年まで、事業所数は減少している

 

「国内のタオル生産量に占める今治産地の割合の推移」から読み取れるのは以下のことです。

・1997年から2019年まで、今治産地のシェアは50~60%前後で推移している

 

「国内タオル供給量に占める輸入品の割合の推移」

・1997年から2000年代中盤にかけて、タオルの輸入量が大幅に増加した

・2000年代中盤以降、輸入タオルは全体の80%を占める

 

タオル生産が増えつつも、事業所数が減っていることから、この間に1つの事業所当たりの生産量が増加していることがわかります。

このことから、各事業所の設備が大型化し、生産力が向上したことがうかがえます。

 

また、今治産地のタオルのシェアがほぼ変わらないことから、国内産業との競争で今治産地が不利であったとは言えません。

一方で、輸入品のシェアは80%まで上昇し、国内の産地を圧迫していることから、海外からの輸入品に押されている状況がうかがえます。

 

外国からの輸入が増大した理由は、価格面で優位だったからです。

タオルを含む繊維製品を安価に生産できるのは発展途上国の産地です。

 

以上より、Pはア、QはZが適当といえます。

まとめ

資料を正しく読み取る力に加えて、日本の産業構造がどのように変化してきたか、また発展途上国では労働集約的な繊維産業が有利に発展しやすいことなど、幅広い知識が問われます。

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02

まず、Pに関しては「今治産地におけるタオル生産量と事業所数の推移」に着目します。

事業所数は右肩下がりなのに対し、生産量は1975年から1990年まで上昇していることがわかります。

つまり考えられるのは、ア:各事業所における生産設備の大型化に伴い1事業所当たりの生産量が増加したということです。

 

次に、「国内のタオル供給量に占める輸入品の割合の推移」に着目すると、1997年以降急激に輸入品の割合が増加していることがわかります。ほかの産業にも言えることですが、より安価な労働力を求めて発展途上国に生産地が移動していることが考えられます。

したがって、z:発展途上国の産地が正解だと考えられます。

選択肢1. P:ア  Q:x

誤った選択肢です。

選択肢2. P:ア  Q:y

誤った選択肢です。

選択肢3. P:ア  Q:z

正解の選択肢です。

選択肢4. P:イ  Q:x

誤った選択肢です。

選択肢5. P:イ  Q:y

誤った選択肢です。

選択肢6. P:イ  Q:z

誤った選択肢です。

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03

愛媛県今治市のタオル産業を例に、資料(グラフ)から読み取れる事実と、日本の地場産業が直面した歴史的な変化を論理的に結びつける問題です。「グラフが実際に示している数値の変化」を読み取ることがコツです。

 

空欄( P )について着目するのは資料1の上段グラフ(1975年〜1990年の変化)です。
この期間のグラフを見ると、「タオルを作っている工場(事業所)の数は減っているのに、今治地域全体で作られるタオルの量は大きく増えている」ということがグラフから読み取れます。
したがって「ア:各事業所における生産設備の大型化」が当てはまります。

 

空欄( Q )について着目するのは資料1の下段右側のグラフ(1990年代半ば以降の変化)です。
このグラフを見ると、1990年代後半から「国内のタオル供給量に占める輸入品の割合」が約40%から一気に80%付近まで急激に上昇していることがわかります。
これほど急激に日本の市場に入り込み、激しい価格競争を引き起こす安価な輸入品は、豊富な労働力と安い人件費を武器にする国々(主に中国や東南アジアなど)で生産された製品です。
したがって、国内(x)や人件費の高い先進国(y)ではなく、「z:発展途上国の産地」が当てはまります。

 

グラフの数値の逆転現象から導き出される( P )の「ア」と、安価な輸入品の急増から導き出される( Q )の「z」を組み合わせることで、正解を導きだせます。

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