大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問75 (地理総合,地理探究(第3問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問75(地理総合,地理探究(第3問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

世界の自然環境と自然災害に関する次の問いに答えよ。


次の図2中の火山A~Dにおける、1990年以降最大規模の噴火の影響に関することがらについて述べた文章中の下線部①〜④のうちから、最も適当なものを一つ選べ。

火山噴火は、噴火直後には、噴石や溶岩流などによって周辺に影響を及ぼすが、それ以降については、影響の及ぶ範囲や時間が異なる。火山Aの噴火では、噴煙が高度10km以上にまで達した。偏西風に流された火山灰の影響により、北海周辺の空域が数年間にわたり飛行禁止とされた。火山Bの噴火では、大量の軽石が噴出し海流に乗って漂流した。軽石は、日本の太平洋岸に数か月後に漂着し、船舶の航行や漁業などに影響を与えた。火山Cの噴火は、世界最大規模であり、大量の火山灰やガスを放出した。これによる気温変化は、世界中で数時間後に観測され、異常気象を引き起こした。火山Dの噴火は、爆発の衝撃により大きな潮位変化を引き起こした。潮位変化は、太平洋の沿岸地域では数週間後に観測され、浸水をもたらした。
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この過去問の解説 (1件)

01

1990年以降に発生した世界的な火山噴火の事例について、地図上の位置とその具体的な影響や被害のスケール(時間や範囲)を正しく判定する問題です。
このような自然災害と時事ニュースの問題では、「現象が伝わるスピード(風、海流、衝撃波など)」や「被害の持続期間」が現実的かどうかを考えるのがコツです。
 

選択肢1. ①

①の記述(火山A:アイスランド)について
火山A(エイヤフィヤトラヨークトル、2010年)の噴火では、偏西風に乗った火山灰がヨーロッパの空を覆い、大規模な航空網の麻痺を引き起こしました。
しかし、飛行禁止などの影響は「数日間から数週間程度」であり、「数年間にわたり」という記述は被害の期間として長すぎるため、誤りです。

選択肢2. ②

②の記述(火山B:日本の小笠原諸島付近)について
火山B(福徳岡ノ場、2021年)の海底噴火では、大量の軽石が発生しました。
これらが海流に乗って漂流し、約2か月後に沖縄や奄美、その後さらに本州の太平洋沿岸などに漂着して、漁業やフェリーの運航などに深刻な被害をもたらしたのは記憶に新しいニュースです。
この記述は影響の及ぶ時間的スケールも含めて実態と一致しており、正解です。

選択肢3. ③

③の記述(火山C:フィリピン)について
火山C(ピナトゥボ山、1991年)の噴火は20世紀最大規模と言われ、成層圏に達した大量の火山灰やガス(エアロゾル)が日射を遮り、世界的な気温低下(日本では1993年の平成の米騒動の一因となりました)を引き起こしました。
しかし、気候変動として気温低下がはっきりと観測されるまでには「数か月から数年」かかり、「数時間後に観測され」という記述は地球規模の気候変化としては早すぎるため、誤りです。

選択肢4. ④

④の記述(火山D:トンガ付近)について
火山D(フンガトンガ・フンガハアパイ、2022年)の噴火では、爆発による衝撃波(空振)が原因とされる特異な潮位変化(津波)が発生し、日本を含む太平洋沿岸に大きな影響を与えました。
しかし、衝撃波や津波が太平洋の沿岸地域に到達するのは「数時間から十数時間」であり、「数週間後に観測され」という記述は伝播速度として遅すぎるため、誤りです。

まとめ

火山災害の影響が広がる「時間的スケール」の感覚が問われています。
偏西風による火山灰の影響は「数日〜数週間」、気候変動は「数か月〜数年」、津波や空振は「数時間」です。
海流に乗って漂流する軽石が遠方に到達するにはゆっくりと「数か月」を要します。
したがって、小笠原諸島付近で発生した軽石が数か月後に太平洋岸に漂着したとする記述が正しいと導き出すことができます。

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