共通テスト(地理歴史) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問14 (歴史総合,世界史探究(第2問) 問6)
問題文
3班は、博物館の「世界史の中の法廷」展を見学した。そこに、19世紀末の資料5・6と地図、それらについて解説したパネルが展示されていた。
資料5
原告は、被告に対して銀貨27キルシュの支払いを要求した。しかし、被告は、これを拒否した。そこで、原告側の2人の証人が証言に立ち、私の面前でアッラーに対して証言したので、その証言は承認された。私は、原告の訴えを認め、被告に支払いを命じる判決を下した。
資料6
ブラヴァの( ウ )領事であるカペッロ氏が、2棟の館をヌーライニ氏から購入した。それらの総額は、銀貨427キルシュであった。その全額を売主が受領したので、買主は、売却物を合法的に入手した。この売買は正当であり、双方の合意と自由意志による。このことについて、5人が証言した。それにしても、証言者としてはアッラーで十分である。
パネル
【地図について】
19世紀末以降、エチオピアの周辺地域は、列強によって複雑に分割され、各国の植民地となっていきました。aはフランス領、bは( ウ )領、cは( エ )領です。
【資料について】
地図中のブラヴァのカーディー(イスラーム法に基づいて裁定を下す裁判官)が司(つかさど)っていた法廷の記録です。これらが書かれた19世紀末、ブラヴァが位置する地域は( ウ )の保護領でしたが、保護領における司法のあり方は一般に多様なものです。文中の「キルシュ」は貨幣の単位です。
・資料5は、ブラヴァ周辺の住民間の金銭をめぐる係争の記録です。原告、被告、証人はムスリムです。文中の「私」はカーディーを意味しています。
・資料6は、( ウ )領事がブラヴァにある家屋をムスリムの住民から購入したことを証明する記録です。証言をした5人もムスリムです。末尾にある「それにしても、証言者としてはアッラーで十分である」は、『クルアーン(コーラン)』の一節で、ここでは、定型表現として引用されています。
3班の生徒たちは、見学を終えた後、メモ1・2を作成した。上記の文章を参考にしつつ、それぞれのメモの正誤について述べた文として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
メモ1
資料5から判断すると、この法廷では、金銭の支払いをめぐる係争に判決を下す際、証人の証言が根拠にされていたと考えられる。
メモ2
資料5・6から判断すると、この法廷では、宗主国の法律ではなく、シャリーアに則して裁定が下されていたと考えられる。
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問題
共通テスト(地理歴史)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問14(歴史総合,世界史探究(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
3班は、博物館の「世界史の中の法廷」展を見学した。そこに、19世紀末の資料5・6と地図、それらについて解説したパネルが展示されていた。
資料5
原告は、被告に対して銀貨27キルシュの支払いを要求した。しかし、被告は、これを拒否した。そこで、原告側の2人の証人が証言に立ち、私の面前でアッラーに対して証言したので、その証言は承認された。私は、原告の訴えを認め、被告に支払いを命じる判決を下した。
資料6
ブラヴァの( ウ )領事であるカペッロ氏が、2棟の館をヌーライニ氏から購入した。それらの総額は、銀貨427キルシュであった。その全額を売主が受領したので、買主は、売却物を合法的に入手した。この売買は正当であり、双方の合意と自由意志による。このことについて、5人が証言した。それにしても、証言者としてはアッラーで十分である。
パネル
【地図について】
19世紀末以降、エチオピアの周辺地域は、列強によって複雑に分割され、各国の植民地となっていきました。aはフランス領、bは( ウ )領、cは( エ )領です。
【資料について】
地図中のブラヴァのカーディー(イスラーム法に基づいて裁定を下す裁判官)が司(つかさど)っていた法廷の記録です。これらが書かれた19世紀末、ブラヴァが位置する地域は( ウ )の保護領でしたが、保護領における司法のあり方は一般に多様なものです。文中の「キルシュ」は貨幣の単位です。
・資料5は、ブラヴァ周辺の住民間の金銭をめぐる係争の記録です。原告、被告、証人はムスリムです。文中の「私」はカーディーを意味しています。
・資料6は、( ウ )領事がブラヴァにある家屋をムスリムの住民から購入したことを証明する記録です。証言をした5人もムスリムです。末尾にある「それにしても、証言者としてはアッラーで十分である」は、『クルアーン(コーラン)』の一節で、ここでは、定型表現として引用されています。
3班の生徒たちは、見学を終えた後、メモ1・2を作成した。上記の文章を参考にしつつ、それぞれのメモの正誤について述べた文として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
メモ1
資料5から判断すると、この法廷では、金銭の支払いをめぐる係争に判決を下す際、証人の証言が根拠にされていたと考えられる。
メモ2
資料5・6から判断すると、この法廷では、宗主国の法律ではなく、シャリーアに則して裁定が下されていたと考えられる。
- メモ1のみ正しい。
- メモ2のみ正しい。
- 二つとも正しい。
- 二つとも誤っている。
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この過去問の解説 (2件)
01
最も適当なのは、「二つとも正しい。」です。
資料5では、原告が銀貨27キルシュの支払いを求めたところ、被告が拒否しています。
そこで原告側の2人の証人が証言し、その証言が承認された後、カーディーが原告の訴えを認めています。
この流れから、金銭をめぐる裁判で証人の証言が判決の根拠の一つになっていたと読み取れます。
資料5・6を扱った法廷を担当しているのは、イスラーム法に基づいて裁定するカーディーです。
資料5では証人が「アッラーに対して証言」し、資料6でも「証言者としてはアッラーで十分である」という『クルアーン』の一節が使われています。
このことから、この法廷では植民地支配を行っていた宗主国の法律ではなく、シャリーアに基づいて裁判や契約の確認が行われていたと考えられます。
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02
メモ1
資料5から判断すると、この法廷では、金銭の支払いをめぐる係争に判決を下す際、証人の証言が根拠にされていたと考えられる。
正しい文章です。「そこで、原告側の2人の証人が証言に立ち、私の面前でアッラーに対して証言したので、その証言は承認された。私は、原告の訴えを認め、...」と書かれています。
メモ2
資料5・6から判断すると、この法廷では、宗主国の法律ではなく、シャリーアに則して裁定が下されていたと考えられる。
正しい文章です。どちらの資料の証言にも、アッラーが関与しています。シャリーア(イスラム法)に基づいて、アッラーの絶対性が重視されています。
よって、正解は 二つとも正しい。 になります。
誤った選択肢です。
誤った選択肢です。
正しい選択肢です。
誤った選択肢です。
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