共通テスト(地理歴史) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問59 (歴史総合,日本史探究(第5問) 問4)

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問題

共通テスト(地理歴史)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問59(歴史総合,日本史探究(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

リンさんとカヨさんは、江戸時代の人々が世界のことをどのように知ったのかという点に興味を持った。次の会話を読み、後の問いに答えよ。(資料には、省略したり、改めたりしたところがある。)

リン:d 『海外新話』という書物を見つけたよ。輸入された書物を基に書かれたもので、人々が海外に関する情報を知る上で、大きな役割を果たしたようだ。
カヨ:江戸時代の人々が、書物から海外に関する知識を得ていたことは分かったけれども、直接海外の人と接触する機会はどのくらいあったのかな。
リン:e 江戸時代には外国の人との直接の接触の機会は限られていたと思うけれど、幕末期になると、様々なかたちで西洋人に接触する機会が増えたのではないかな。

下線部dに関連して、二人は、『海外新話』について調べたことをノートにまとめ、考察した。ノート中の波線部の戦況を知った幕府の対応あ・いと、ノートを踏まえて考察した内容X・Yとについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

ノート
・『海外新話』は1849年に刊行され、翌年には幕府によって発禁処分を受けたが、処分後も重版が出回っていた。
・『海外新話』は、外国同士のある戦争について書かれた書物。収録されている「清国略図」には、「夷人」によって侵略を受けたところに朱点がうたれている。世界地図も掲載されていて、「英夷」の支配地が赤く塗られている。
・吉田松陰が『海外新話』を読んでいる。
・伊勢国の津に住む儒者が、江戸の門人に、「そちらから『海外新話』を1部送ってくれた結果、こちらには3部ある。皆見たがっている。もう1、2部送ってほしい。」と書き送っている。

下線部「外国同士のある戦争」の戦況を知った幕府の対応
あ  漂流してきた異国船に対して、薪や水などを与えることにした。
い  日本に来航する異国船をためらうことなく打ち払うことを命じた。

考察した内容
X  この時期には、経済の発展もあって、三都以外においても文化人や知識人が存在し、海外の情報についても需要があったと考えられる。
Y  海外情報が広がることを恐れた幕府は、出版統制をしたので、人々は手紙での伝聞情報でしか海外の情報を入手できなかったと考えられる。
  • あ — X
  • あ — Y
  • い — X
  • い — Y

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この過去問の解説 (3件)

01

アヘン戦争を伝えた『海外新話』に関する考察と、アヘン戦争の戦況を知った幕府の対応として正しいものの組合せを選ぶ問題です。

「外国同士のある戦争」は、「清国略図」や「英夷」から清とイギリスが戦ったアヘン戦争だとわかります。


あ 正しい
清がイギリスに敗れたことなどを知った幕府はこれまでの方針を変えて柔軟な対応をとることにし、天保の薪水給与令を出しました。

い 誤り
異国船打払令が出されたのはアヘン戦争より前の措置です。


X 正しい
伊勢国の津に住む儒者が江戸の門人に『海外新話』をもう1、2部送ってほしいと頼んでいることから、地方でも海外の情報に需要があったことが読み取れます

 

Y 誤り
『海外新話』は発禁処分を受けましたが、ノートには処分後も重版が出回っていたことが示されています。


よって、 あ — X の組合せが正解となります。

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02

「外国同士のある戦争」 は、 アヘン戦争 に相当します。

『海外新話』は1849年に刊行されています。清国の地図が載っていることから、「外国同士のある戦争」は清国が関与していると考えられます。1840-42年に起きたアヘン戦争が正解です。

 

下線部「外国同士のある戦争」の戦況を知った幕府の対応

あ  漂流してきた異国船に対して、薪や水などを与えることにした。 が当てはまります。

1842年に出された天保の薪水給与令に関する記述です。

外国に対してこれまでの態度を改めて柔軟にしました。

 

い  日本に来航する異国船をためらうことなく打ち払うことを命じた。
1825年の異国船打払令に関する記述です。

 

考察した内容

X  この時期には、経済の発展もあって、三都以外においても文化人や知識人が存在し、海外の情報についても需要があったと考えられる。 が当てはまります。

伊勢国の津に住む儒者が、江戸の門人に「『海外新話』をもう1、2部送ってほしい」と頼んでいることから判断できます。

 

Y  海外情報が広がることを恐れた幕府は、出版統制をしたので、人々は手紙での伝聞情報でしか海外の情報を入手できなかったと考えられる。

『海外新話』は1850年に発禁処分を受けましたが、処分後も重版が出回っていました。この文章は誤りです。

 

よって、正解は あ — X になります。

選択肢1. あ — X

正しい選択肢です。

選択肢2. あ — Y

誤った選択肢です。

選択肢3. い — X

誤った選択肢です。

選択肢4. い — Y

誤った選択肢です。

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03

『海外新話』で扱われている「外国同士のある戦争」は、清とイギリスの間で起こったアヘン戦争です。

幕府は、清がイギリスに敗れたことなどを知ると、それまでの異国船打払令を改め、外国船に薪や水などを与えて退去させる方針へ変更しました。

1842年に出された薪水給与令です。

選択肢1. あ — X

正解です。

 

「あ」

アヘン戦争は1840~1842年に清とイギリスの間で起こり、清が敗れました。

『海外新話』は、このアヘン戦争について書かれた書物です。

幕府は、強い軍事力を持つ欧米諸国への警戒を強め、1842年にそれまでの異国船打払令を緩和しました。

そして、漂着した外国船には食料・薪・水などを与えて退去させる方針に変更しました。

これが薪水給与令です。

 

「X」

ノートでは、伊勢国の津に住む儒者が、江戸の門人に『海外新話』をさらに送ってほしいと頼んでいます。

すでに3部あったにもかかわらず、「皆見たがっている」と書いていることから、地方でも海外の情報を知りたいという需要があったことが読み取れます。

また、『海外新話』は発禁処分を受けた後にも重版が出回っており、多くの人々が外国事情に強い関心を持っていたことが分かります。

 

 

「い」の外国船を原則として追い払う異国船打払令が出されたのは1825年で、アヘン戦争より前です。

その後、幕府はアヘン戦争で清が敗れたことなどを受け、1842年に異国船打払令を緩和しました。したがって、アヘン戦争の戦況を知った後の対応としては、打ち払いを強化したのではなく、薪や水などを与えて退去させる方針へ変更したことが重要です。

 

『海外新話』は幕府によって発禁処分を受けています。

しかし、ノートには、処分後も重版が出回っていたことや、実際に複数の本が地方で読まれていたことが示されています。

つまり、人々が海外情報を得る方法は手紙による伝聞だけではなく、『海外新話』のような書物そのものを読むことでも海外の情報を得ていました。

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